邪竜百年戦争 オルレアン 最終決戦 ページ25
『ｰｰｰｰ敵はその部屋だ！準備は良いかい？』
勿論とドクターに頷く。
勢いよくドアを、開ける。
｢………よく来たわね。偽物さんとそのマスター｣
そこには、ジャンヌの2Pカラーのジャンヌが居た。
ニタリと黒いジャンヌは笑うと、手を掲げた。
それを合図に、シャドウサーヴァントが現れる。
｢先生！！｣
｢あぁ！ｰｰｰｰこれぞ、天才軍師の究極陣地……
先生の宝具で、シャドウサーヴァントの足止めをする。その隙に、ジークが剣で薙ぎ払いシャドウサーヴァントを消す。
｢あら、意外と強いのね。良いでしょう。相手をして差し上げます｣
｢その前に、ジャンヌ·ダルク。貴女に訪ねたい事があります｣
いかにも、嫌そうな顔をして黒いジャンヌは問いかけたジャンヌを見た。
｢…良いでしょう。それで、何ですか？｣
｢貴女が、私だというのなら……貴女は故郷を、家族を…覚えていますか？｣
｢！？｣
｢確かに、私は戦場での記憶はあります。でも、戦場に出るまで過ごした故郷、共にいた家族、友人の記憶の方が多いのです｣
｢だから、なんだって言うのよ！？｣
｢貴女は、私ではない｣
キッパリとジャンヌは言い切った。
黒いジャンヌは、とても悔しそうに、
｢…えぇ、えぇ、そうよ。私は貴女じゃない。偽物は私の方。でも、でも、この憤怒は、憎しみは私のモノ！！これが私の真実！！貴女には関係ない！！貴女が否定したもの！！我が復讐に！憤怒に！喝采を！！｣
｢敵が攻撃態勢に入りました！マスター、指示を！｣
｢構えろ！！決戦だ！！｣
私の声の合図で皆が構える。
刃と刃がぶつかり合う。
宝具の撃ち合い。
最後のジークの一撃が決まり、黒いジャンヌは倒れた。
｢…おわ…った？｣
｢はい…戦闘終了です。お疲れ様です。先輩｣
と、労いの言葉を貰うと同時にスウッと死んだはずの敵のキャスターが、現れる。
｢おぉ、ジャンヌ…ご無事ですか？｣
｢…ジル？わたし…負けたの？｣
｢……ジャンヌ、少し疲れていたのでしょう。どうか、お休み下さい。後はこのジルにお任せを｣
｢…そう、よね…あなたに…任せておけば…大丈夫よね……頼んだわよ…ジル｣
黒いジャンヌは、安心しきった顔をして消えた。
｢よく、ここまでしてくれましたね。異邦のマスターよ｣
と、ジルと呼ばれたキャスターが懐から金の杯を取り出した。
『ｰｰｰｰあれは！聖杯だ！』
あれが……聖杯？
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作者名：キーリア | 作成日時：2016年10月2日 21時
