決意 ページ14
管制室に、先輩と行く。
少し、やつれては居るが何だか吹っ切れた様に見えた。
｢次の特異点は、1431年のフランスだ｣
｢百年戦争最中？｣
｢はい。百年戦争…イギリスとフランスの100年近くに渡る戦争で、1339年から1453年の間に繰り広げられたと言われています｣
おぉ、流石マシュだ。詳しいね。
｢そう。今回の特異点は、まさにその時代だ。君達には負担をかけると思う。バックアップはバッチリするからね！｣
｢ドクター｣
と、立香先輩が言った。
｢………何だい？｣
｢俺は…多分この作戦には、向いてはいません…いや、この聖杯探索にも全く向いていない人種です｣
｢立香先輩…｣
そうだ。私が1番分かっていた。
先輩は、優しい。そして、争い事が嫌いだ。
ゲームなら、まだマシらしい。
｢でも、後輩2人に前線に立たせて自分がボケっとしてる訳にはいきません。俺は、戦いでは役立たずだけれども、他に2人の為に自分が出来ることはあると思います。お願いします。父さんが元々配属されていた、所に俺を雇ってください。2人の後輩の為に。父さんが出来なかった事をする為に。お願いします｣
そうだ。この人は、諦めが悪い人だった。
よく、知ってたじゃないか。
｢ドクター。先輩は、星マニアですが機械の扱い方や観測については父親から伝授されている筈です。未熟ですが、技術者が足りない今、うってつけの人材だと思います｣
と、ドクターに言う。
ドクターは、ニッコリ微笑むと
｢そう来るだろうと、思っていたさ！立香君。君のお父さんが配属されていた部門はもう無いが、あの人は立派な技師でもあった。その息子なら申し分無い。僕のサポートをお願いしたい。まぁ、つまり助手だ。助手｣
｢いつの間に、偉くなったんだい？ロマニ｣
｢失礼な！今は１番偉いぞ！｣
｢えっと…つまり…｣
｢君を、カルデアのマスターでなく1人の技師として、時にはサポート役として、時には…｣
｢軍師か…どちらもしごかなければいけないな｣
｢はっ！孔明先生…！｣
｢ドクターとやら。技術者としての技術は、君が教えろ。戦の軍師としての采配は、私が教えよう｣
ちょいと待てよ…どちらも…？
｢せっ、先生私もですか！？｣
｢勿論だ。この前の戦いはとてもデタラメだった。見ていて大丈夫か？と思うぐらいだ。勝てたのは、運が良かっただけだ。ま、そういう訳だ。覚悟しろよ？マスター｣
凄い、英霊を召喚してしまった気がする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キーリア | 作成日時：2016年10月2日 21時
