現実 ページ9
???
人混みを掻き分けながら進んで行く。
そろそろ人が少なくなって来る時間帯。
肌寒いし、鞄を背負ったまま歩いて居るので、疲労は溜まっていく一方だ。
まだ召喚されたこの国は出られて居ないのだが。
こうなっては不味い、何処かで休んでから明日歩くのが良さそうだ。
これ以上は、視界も奪われていて行ける所も行け無くなってしまうだろう。
適当に宿屋を探そう、旅は明日からだ。
丁度手頃な場所を見付けて、中へ入った。
此処でも銀貨の量を調節して、漸く部屋へ案内を受ける。
設備は最低限揃って居るようだが、風呂らしき所は無いようだ。
仕方無い、まだ早いが、さっさと寝ておこう。
半ばヤケに、私は布団に飛び込んだ。
……………………………。
……………………。
……………。
──凛──。
何処からか、声が聞こえた。
はっと意識をかき集めると、隣に友が居た。
「ねー聞いてる?」
見覚えのある通学路。
「…ごめん、ちょっと考え事」
不味い、状況が飲み込め無い。
どうして友が隣に?
「珍しいね、何かあった?」
「…ううん、何でも無い」
友には、迷惑は掛けたく無かった。
「そっか…」
最後に聞こえたのは、少し残念そうな友の声だった。
……………………………。
……………………。
……………。
次に目が覚めたのは、まだ日が上がりきって居ない時間。
どうしてこんな早くに目が覚めたか不思議だったが、昨日は日没前に寝たのだと自己完結する。
もう少し休みたいとは思ったけれど、学校の鞄に果物と所持金を入れて仕度をした。
イングラシアに着くには、これ位朝から動いた方が良さそうだったのである。
宿屋を出て、私は日の出を背にこの国を出発した。
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くろわっ(プロフ) - アスパラガスさん» そうなんですね、アスパラガス様、私のボードに来てくださいませんか? (2021年7月22日 18時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
アスパラガス(プロフ) - はい! 友達に紹介されてほぼ毎日遊んでます(O.O) (2021年7月22日 17時) (レス) id: 34431a3a54 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっ(プロフ) - アスパラガスさん» ありがとうございます、そう言って頂けて嬉しいです!もしかして、sky…をご存じですか? (2021年7月22日 16時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
アスパラガス(プロフ) - 面白いです! 応援しています! (2021年7月22日 12時) (レス) id: 34431a3a54 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっ(プロフ) - うたプリ大好き?さん» 楽しんでいただけてうれしいです! (2021年7月4日 0時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろわっ | 作成日時:2021年1月4日 22時