転生したら転スラの世界だった！？番外 (ページ21)

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客に裏方役ページ21

カバルside

ちょうどリムルの旦那の街に足を運んでいた時、朱菜さんから頼み事を受けた。

朱「最近はリムル様とA様だけの時間が少ないように思うのです。
　こちらで大まかな計画はありますので、是非協力していただけませんか？」

そう、こんな感じで物腰柔らかく。

聞けば二人は恋人同士だと言うし、ここは俺たちも一肌脱ぐっきゃねえ！

って、いつも世話になってる二人の為だって、魔物屋敷の脅かす側を喜んで引き受けたのさ。

勿論俺だけじゃなく、エレンとギドも快く参加している。

ｴﾚﾝ「思いっきり驚かせるってならぁ、生存本能が訴えるようなものがいいわよねぇ」
ｷﾞﾄﾞ「そうは言いやすがねぇ……旦那方をそこまでさせるものってあるんでやすか？」
ｴﾚﾝ「うーん……あっ！いっそのことぉ、食べられる側に回ってみるって言うのはどう？」
ｶﾊﾞﾙ「なるほど！いつも追っかけられてる俺達ならではだな！」
ｷﾞﾄﾞ「……それ、言わぬが花でやす」
ｶﾊﾞﾙ「それ旦那が言うやつ」

そんなこんなで俺達の企画は瞬く間に完成し、ついに当日を迎えた──。

「冷やして食っちまうぞぉぉ！！」

正直、リムルの旦那が恐怖の方面でビビるのは想像がつかなかった。

一方で、Aちゃんはわりと耐性がないことを俺達は知っていた。

何故って？

まあまあ、俺達は一度一緒に冒険した仲だからな！

魔法で攻撃するようになった理由が『怖いから』だし、Aちゃん相手に本気出すと可哀想だ。

その結論が出ると、相対的に旦那へ集中攻撃、という経緯で今の状況だが……。

普段運営している方々に化粧をしてもらい、魔物っぽいように扮して。

渾身の叫びをもって飛び出すと、今までで見たこともないような形相の旦那がいた。

ﾘﾑﾙ「うわあああっ！？」

Aちゃんが俺達にではなく、旦那のリアクションに驚いているほどにだ。

二人とも可愛いなあ……と俺の顔が緩むよりも早く、Aちゃんに出口へと導かれていく旦那。

普通逆だとか、地味にAちゃんを盾に進んでいるとか、突っ込み所は多かったな。

ｴﾚﾝ「大成功ねぇ！」
ｷﾞﾄﾞ「やったでやす！」
ｶﾊﾞﾙ「この完成度、旦那達も満足だろうよ！」

こうして終わりを迎えた魔物屋敷の手伝いだったが、俺達はというと──。

朱「お二人に楽しんでいただく為の努力はありがたいですが、やりすぎです」

魔物屋敷より恐ろしい笑顔の朱菜ちゃんに、こってり叱られる羽目となったのだった。