開演ブザーは永遠に（１０）

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そうして一人、モニターを観る。次の騎馬戦の結果次第で白組がこのまま優勝するか、それとも赤組が逆転勝利を果たすかが決まる。
　もし本部の方の病院まで運ばれてたなら要先輩と一緒に中継を見れたのかな、なんて考えがよぎり、頭を振る。気をつけてねって言われたばかりなのに、舞い戻ってきましたよ、では笑い種にもならない。

『では、いよいよ騎馬戦開始のコールです！』

　テレビの映像は、空撮用の機械でも使っているのか空から始まり、赤と白が睨み合っている校庭を俯瞰する。
　赤組の大将は殿先輩の上に乗った心読み君。対して白組の大将には、なぜか月ちゃんが。不思議なことに、赤組のみならず白組にまで動揺が広がっている。

　両チームとも緊迫した空気が続く中、蜜柑ちゃんが先陣を切って敵の懐に飛び込んだ。さっきの騒動がある分、一気に目をつけられ、ぐるりと白組に取り囲まれるものの、そのまま蜜柑ちゃんの無効化と翼先輩の影踏み、赤組テレポーターの連携で白の星コインを一度に三つ獲得する。
　蜜柑ちゃんの突撃をきっかけに赤組は勢いづく。念力やフライングなどの騎馬戦に有利なアリスが活躍して立て続けに敵のポイントを奪う。
　かと思えば、そうしてアリスを使いきった赤組の騎馬を狙って、白組が反撃する。

　くるくると攻守が交代する中、またもや蜜柑ちゃんが突撃して、白組の馬を飛び渡るようにポイントを稼ぎにいった。すぐに容赦のないスミレちゃんに蹴り落とされてしまい、落ちる寸前に翼先輩のアリスで影を止められて助けられる。
　落馬は免れたが、蜜柑ちゃんのいる場所は敵陣のど真ん中。周りを白組の騎馬に取り囲まれてしまっている。翼先輩のアリスも三回使いきって守り一辺倒だ。持ち前の運動神経で必死に避けているけど――

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