110話 ステイン ページ22
翌日
相澤にバレないようこっそりと抜け出した
GPSの付いた手錠は鎖が長いのだから、簡単にピンで外せる
昼までは誰も屋上には来ない
急用が無ければ、だが
異能を使い、校舎を出た
其処からはプリントアウトしておいた保須までも道順
歩きだとかなり掛かる為、異能で増強するしかない
『……あと、上から行かねぇと』
――――――――――――――――――――――――――――
保須市
ある建物の屋上で辺りを見渡している
矢張り送った鳥は少ない
一羽の黒い鳥が肩に留まった
其の一瞬で、鳥は容を失って崩れる
Aが崩したのではない
背後に誰かが立った
「お前か。
『ふっ……手入れ、してないのか？刃毀れしてるぞ』
キリリと首に刃が当たる
Aは口角を上げたまま、刃が降られるのを待った
ギィィィィン……カランカラン…
刃がAの首を斬る前に、折れた
『刃毀れしてなくても、俺に刃は届かないね』
「……何の個性だ」
『何だと思う？……俺と少し遊ぼうか』
路地に降りて、刃と刃がぶつかる音がする
曲がりくねった路地の中で、互いに攻防を続けていた
遠近戦の両方が得意なAにとって、問題なのは、路地という環境が動きを鈍らせる事
遠距離戦で、あまり異能を出し過ぎても相手が見えなくなれば、危うくなる
近距離戦は、どれだけ相手が武術に長けているかが重要になる
『バッサバッサと切っちゃってさあー。手前の個性ってなんだよ。使わねぇんだな』
「お前には通用しないからな」
『其れは残念だ』
黒い刃をヒーロー殺しを振り落とす
ギロリと目がAを捕らえた
「隙だらけだが、完全な防御」
『また刃が折れるかもな』
ギィィィィン
振り落とした刃が弾かれ、地面に溶けた
機動力・判断力……全て、ヒーロー殺しには備わっている
『へぇ……名前は？』
「お前から名乗れ」
『其の通りだ。十神。手前は？』
「敵名``ステイン″。調べているなら、分かっているだろ」
『まぁな……そんなに強いのに、ヒーローじゃないんだ』
「今のヒーローは
『ニセモノ？』
如何やら、想像していた以上にヒーロー殺しという名には意味がありそうだ
ヒーローを殺して、此の社会に何を求めるのか
「私欲の為に力を振るう……其の行いはヒーローではない」
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春 - すごくおもしろくて続きが気になってしまうのですがこれからこの作品を更新することはないのでしょうか。作者様にも事情があるのだと思いますが気がむいた時にでもいいので少しでも更新していただけると嬉しいです。 (2020年3月9日 0時) (
レス) id: 5ac3fd9cda (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - はじめまして、いつも楽しく読まさせて頂いております。この作品はもう更新はされないのでしょうか？続きがとても気になるし好きな作品なので更新していただきたいのですが難しそうでしょうか？ (2019年12月14日 19時) (レス) id: cd3e9475c4 (このIDを非表示/違反報告)
さつまいも - 文ストもヒロアカも好きなのでめっちゃ面白いです！ (2018年4月23日 11時) (レス) id: c4cbf6cd4a (このIDを非表示/違反報告)
ｶﾙﾏ - こうしんがんばってくださいな｡オウエンシテマス (2018年3月9日 18時) (レス) id: c20e34549e (このIDを非表示/違反報告)
凛兎(プロフ) - 犬トロさん» お気遣い感謝します。(現実逃避しないとやっていけないのです。これからも、よろしくお願いします) (2017年10月1日 20時) (レス) id: 4cd02f3e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛兎 | 作成日時：2017年9月22日 1時
