Fleur simple

Episode25 ページ26

尊「美味かったな！！」


竜「だな！」




パンケーキを食べ終わって、

私がお手洗いに立っている間に、

2人はお会計を済ませてくれていた。




「本当にありがとう！ごちそうさまでした！」


尊「勉強教えてくれた礼だから、気にすんな！」




笑顔で私の頭を撫でてくれた尊人だけど、

撫でる手が離れると申し訳なさそうな顔をした。




尊「でも悪いな、母ちゃんが体調崩して、

すぐ帰んなきゃ行けなくなった、」


竜「わりー、弟たち見なきゃいけなくて」


「気にしないで！

それより早く帰って安心させてあげて？」




尊人にかかってきた電話は、

お母さんが体調を崩してしまったから、

早く帰ってきて欲しいという電話だった。




尊「ありがとな！

また今度、埋め合わせするから！！」


竜「気をつけて帰れよ？」


「うん、ありがとう！」




ふたりは駅の方に歩いて行ったけど、

竜は途中で足を止めた。


尊人に何か言うと、竜は私の方へ戻ってきた。




「どうしたの？」


竜「送っていけなくて悪い…気をつけて帰れよ？」


「本当に大丈夫だよ？竜も気をつけて帰ってね？」


竜「なんかあったら連絡しろよ？」


「もう、子供じゃないんだから、心配しすぎ！」


竜「……あと、これ。

可愛いって言ってたから…。」




竜の手には、さっきのお店で売っていた、

うさぎのストラップ。


お店のマスコットキャラみたいで、

パンケーキを食べながら、

可愛いと言ったことを思い出す。




「私に？いいの？

嬉しい…大切にするね！！」


竜「…おう、じゃあな！」




そう言うと、

竜は尊人の後を追いかけて走って行った。

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