Fleur simple

Episode13 ページ14

教室に入ると、自然と腕を離され、

竜はプリントを抱えている尊人の側に行った。


なぜかわからないけど、

尊人は眼鏡をかけていた。




「なんで眼鏡？」


尊「この方が勉強出来そうだろ！！」


「そうだね…視力悪いの？」


尊「んー？ちょー良い！めっちゃ見える！」





尊人は形から入るタイプなのか、


すごい眼鏡をアピールしてくる。


何か言って欲しそうに目を輝かせて私を見てくる尊人。





「…似合ってるね」


尊「そうか？Aは眼鏡男子好きか！」


「いや、好きってわけじゃ…」


尊「なぁ、竜ちゃんもかけてみろよ！」


竜「っえ、なんで俺まで、」


尊「良いから、良いから！」




尊人に強引に眼鏡をかけさせられる竜。


これがギャップ萌えってやつか。


ベースが良いと何しても似合うのかな、


気づいたら竜のことを見つめてしまっていた。




竜「な、なんだよ。そんなジロジロ見んな。」


「あ、ごめん。」


尊「竜ちゃんも素直じゃないな〜！

で、どう？竜ちゃんの眼鏡姿！！」


竜「兄貴！そんなこと聞かなくていんだよ！」


「…カッコいいよ、似合ってる。」


竜「っ、ばか、見んな。」


尊「あれー？竜ちゃん照れてる？」




眼鏡を外して、手で口元を押さえた竜。


耳まで赤くなっている、

なんか、可愛いかも…。


普段の竜は尊人にべったりだし、

あんまり女の子と話してるところも見ない。


転校初日から尊人も竜もよく話しかけてくれてだけど、

2人のこと、全然知らないなぁ…





竜「それより！さっさとやって帰ろうぜ！」


尊「あ、そうだな！A、よろしくな！」


「うん、とりあえず簡単なのからやろっか！」




竜の言葉に、本来の目的を思い出す。


眼鏡で盛り上がりすぎて、

補習課題のことすっかり忘れてた…

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