いいたいことがあるの【鬼滅の刃】 (ページ44)

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炭治郎くんが全集中の呼吸・常中を会得し、飛躍的に強くなった。
そんな炭治郎くんを見て、善逸くんと伊之助くんは焦りを覚えた様だ。

「全集中の呼吸・常中ってどうやって会得できるんだよ......」

「それはな、こうして、こう......」

炭治郎くんは丁寧に二人を教えているが、いまいちピンと来ていないみたいだ。

「子分その三はどうやってやってんだよ」

「えっ、こ、子分......？まぁ、いいや私はね......」

伊之助くんからは謎の子分呼びに困惑しつつも、私もなんとか教えてみる。

「分からねぇ」

「そ、そっか......」

伊之助くんに何とか伝えようとしたけれども伝わらなかった。やっぱり私って教えるの下手なのかなぁ......

私と炭治郎くんで奮闘しながら教えていると
、しのぶさんがやってきて、全集中の呼吸・常中の説明をした。

説明が終わるとしのぶさんは伊之助くんの前まで移動した。

「まぁ、できて当然ですけれども、仕方ないですできないなら、しょうがない、しょうがないですよね？ねっ？ Aさん？」

「へっ？あぁ、うん。そうです。伊之助くんができないのならしょうがないですね」

「はぁーん！？できてやるっつーの当然ね！！子分その三ができて俺に出来ねぇことはないんだぞ！」

何故か伊之助くんが急に大奮起し始めた。どうしたんだ伊之助くん。

しのぶさんは今度は善逸くんの前に移動し、彼の手をぎゅっと握る。

「頑張ってください善逸君。一番応援してますよ。ねっ？ Aさん？」

「えっ？あぁ、うん。頑張ってね、善逸くん応援してるよ」

しのぶさんが善逸くんから離れて私に近づき「さぁ、善逸君の手を握ってください」
と耳打ちされた。

私はしのぶさんの言う通りに、善逸くんの手をぎゅっと握った。

善逸くんの手は私の手よりも大きくてあったかい、それに手汗でびっしゃりと濡れている。
すると善逸くんが急にぐいっと距離を詰めてきた。

「ねぇ、俺のこと一番応援してる？」

「あ、う、うん。善逸くんのこと一番応援してるよ」

「そっかー！俺、頑張るよー！」

伊之助くんに続いて善逸くんまでもが、急に大奮起し始め、あちこち飛び跳ねている。

何はともあれ、二人がやる気になってくれてよかったよ、うん。

その後、二人は九日間かけて、全集中の呼吸・常中を会得した。