33. ページ34
「おい! 紋逸の野郎ここにいやがったぞ!」
「善逸! ここに居たのか、急に居なくなるから心配したんだぞ」
「伊之助! 炭治郎! Aちゃんがやっと目覚めたんだよ!」
善逸くんがそう呼びかけるとバタバタと騒がしい足音を立ててこちらへやってくる音が聞こえる。
「A......目覚めたんだな。よかった」
「A、俺様を不安にさせるんじゃねぇぞ!」
炭治郎くんは目に涙を浮かべて、伊之助くんは声を震わせ、二人が口々に私の身を案じてくれる言葉を投げかけてくれた。
ガヤガヤと三人が会話をし始める。
その光景を見ていると、なんだか先程までの寂しい気持ちはどこかへ飛んで行ってしまった。
三人は毎日欠かさず私のお見舞いに来てくれた。
そのおかげもあって数日で私の身体は次第に良くなっていった。
「Aさんの身体もだんだんと治ってきましたね」
「しのぶさんのおかげでここまで良くなれました。本当にありがとうございます」
「いえいえ、ここまで体調が良くなったのでしたら機能回復訓練に参加しても良さそうですね」
「機能回復訓練......? とはなんですか?」
「機能回復訓練とはですね......」
しのぶさん曰く、怪我の治療を終えた患者を対象に行われる訓練だそうだ。
「な、なるほど......」
「はい、炭治郎君たちも参加しているので共に頑張って下さいね」
「はい! がんばります」
しのぶさんに連れられて訓練所の前までやってきた。
何やら叫び声が聞こえてくるけど、大丈夫かなぁ......
「あの、中から叫び声が聞こえるのですが......」
「気にしないでください」
「は、はい」
しのぶさんの笑顔の圧がすごい。
中はどんな厳しい訓練が行っているんだ......?
私は意を決して訓練所の戸を開く。
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:名無し丸 | 作成日時:2021年10月12日 19時