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「A。俺からもいいか?」
今まで私たちのことを静観していた竈門さんが会話に入り込んできた。
「はい。何でしょうか竈門さん」
「A。俺とも友達になって欲しいんだが、いいか?」
「へぇ!? も、も、もちろん大歓迎です!」
「そうか! ありがとう! 俺たちと話す時はそんなに畏まった話し方ではなく。もっと砕けた話し方をしてもいいんだぞ? それと、竈門さんではなく、炭治郎って呼んで欲しいんだ......いいか?」
「わかったよ、炭治郎くんの言う通りにするよ」
「フンッ」
突然目の前に嘴平さんが現れた。一体どうするつもりなのだろうか。
「お前を友達にしてやる! 俺様のことは伊之助って呼べ、いいな!」
「ははっ......ありがとう伊之助くん」
なんということだ。今まで友達ができたことがなかったのに友達ができた。それも三人もだ。
最近、嫌なことばっかりでうんざりしていたけど、人生万事塞翁が馬。
悪いこともあれば良いことにある。
父が生きていたら真っ先に伝えたかった。
父さん。私、初めて友達が出来たんだって。
でも、父はもういない。
父はもう死んでしまったが、私の心の中ではちゃんと生きている。
父さん! 私ね、友達が出来たんだ。
鬼をいつかいなくなるその日まで、友達と一緒に鬼狩りをがんばります!
頭をそっと撫でられた気がする。
周りを見ても、風が木々を揺らし、太陽が沈んでゆく景色しか見えなかった。
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作者名:名無し丸 | 作成日時:2021年10月12日 19時