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黄色いものが視界に入った。
顔を上げると憔悴しきった様子ながらも、心配そうにこちらを見ている金髪の少年が目に入った。
「あ、危なかった......君がまた地面に倒れちゃうところだったよ」
どうやら、この金髪の少年が倒れそうになった私を助けてくれた様だ。お礼を言わなくては。あれ? この金髪の少年、どこかで見たような......
「危ないところをありがとう、ございます」
「いいって、あれ。君たしか最終選別にいた」
「善逸!!」
善逸と呼ばれた金髪の少年が声のした方へ振り向く。私も釣られるようにそちらを向く。
先程、こちらに駆け寄ってくれた市松模様の羽織を着けた少年がこちらにやってきた。
「あっ、炭治郎......さっきの人は」
炭治郎と呼ばれた少年が首を振った。
市松模様の羽織を着けた少年がこちらを見る。
「体は大丈夫ですか」
「はい。なんとか......」
「良かった......」
少年は安心した表情をするとほっと息を吐いた。少年の耳飾りが目に入る。あれ? これってどこかで見たような。
あっ。
点と点がつながり、私の頭に電流が走る。
この二人は最終選別にいた人たちだ。
ようやく気づいた。
「ねぇ! 君ってあのときの最終選別にいた子だよね」
「はい、そうで」
「やっぱり! そうだー! 俺、あのときいた女の子の顔覚えているからさ、もしかしたらって思って!」
「やっぱり。そうか、君は覚えていないだろうと思うけど、選別が始まる前に君と目が合ったんだ。選別が終わった後、話しかけようと思っていたんだが、君はもう居なくなっていて」
「あのときの、ことは覚えています」
「本当か!?」
「なんだよ! 炭治郎の知り合いなのォ!?」
「いや、違う。彼女とは最終選別のとき会ったきりで、そういえば自己紹介がまだだったな」
「俺は竈門炭治郎、こっちは」
「はい! 俺は我妻善逸です! よろしくねぇ」
竈門炭治郎さんと我妻善逸さん。よし、顔と名前をしっかりと覚えた。
何故か我妻さんが私の手をぎゅっと握ってきた。
「私はAAといいます。よろしくお願いします」
「Aか。よろしくな」
「Aちゃんね。可愛くて君にぴったりな名前だね!」
あまり人とは関わってこなかったけども、我妻さんとの距離が何故か近い気がする。
気のせいか......? きっと気のせいだよね。
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作者名:名無し丸 | 作成日時:2021年10月12日 19時