宮侑が真面目に恋をする話。

16.【名前】 ページ17

侑side



うっさいねんブス！！！！！！！囲うな俺を！！！


初心者しかおらんとはいえ思い通りのプレイができずに俺は少しイラついとった。

いや仕方ないんやけどな。このモヤモヤは部活でぶつけよう。あとサムのチームが勝ったの死ぬほどムカつくわ！！！！！！









そんなこんなで現在6時間目。

授業が始まる前に美澄に「俺、どうやった？」って話しかけようとしたんやけど突っ伏して寝ていた。

囲いの女子に褒められるより美澄に一言貰う方が嬉しいのに。

6時間目のやる気メーターは下の方を指し示している。頼む〜はよ時間過ぎてくれ〜〜。

と思いながら20分が過ぎた時、シャー芯が切れる。
あぁ、新しい芯入れななぁと筆箱を漁ると適当にちぎられた紙が入っていた。

また告白なんか？？とか思いながら畳まれた紙を広げると、〈かっこよかった〉の一言。え、誰。





…いやもしかして！と思い前の席の美澄の肩をちょんちょんと叩く。


『何？』と小声で聞き返してくる美澄に紙を見せる。

口パクで みすみ？ と伝えるとメガネを触りながら赤らめた顔で頷き、すぐ前を向いた。








はぁぁぁ、ま、まじかぁ。めっちゃ苦しい！授業中やから騒げへんし！ニヤニヤ止まらん、無理震える。



めっちゃ嬉しい。


美澄が部活中ずっと一緒におったらとか思ってしまう自分がいた。









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放課後。

「ほんまにびっくりしたんやけど！めっちゃ嬉しかったわぁ！」

『え、そんな大したことないって、適当にちぎった紙やし』


美澄は「そんなに褒めんなよ」と言いたげな様子で笑う。



「美澄やから嬉しいねん、自分」




何言ってんねん俺。変なこと口走ると引かれるぞ。





『あんたそれ、本気にする女子もいるからやめときなよ』



美澄は冗談言うなと言うように笑った。普段の行いのせいか本気と思われなかった。辛い。


『宮の…双子の治君？がおったからか凄い白熱しとったね。』








オサムクン。









ｵｻﾑｸﾝ。









「……ありがとうさん。その…双子やから俺の事宮じゃなくって侑って呼んでくれん…？



あっ嫌やったらええんや！何言ってんやろ自分、はっずいわぁ〜！」


『ええぞ、侑。』



え…イケメンか…？



『あ、じゃあ私の事も名前で呼んでや』


「え、じゃあ、A、ちゃん」


『なんや侑？』



やっやめろぉ…！！死ぬかと思った…！！！


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