５話 ページ7
驚きで口をあんぐり開けっ放しだった俺。初対面でかなり格好悪い姿を晒してしまったじゃないか。ごめんごめんと軽く謝りながらも反省する気の無さそうなゴースト君をちょっと睨む。
「えへへ、ごめんよ〜」
「あ！いたいた、この子がシズクって幽霊みたいな子。んで…新人さん？私はサクラ。よろしく！」
気を取り直して自己紹介。
白髪の人はサクラというのか。シズクと、サクラ、そしてアディー。この3人は簡単に覚えられそうだ。特にシズクに関しては驚かされたせいもあって、絶対忘れないだろう。
名前を確認し、アーデインが話を戻した。
「シズク…君？ね。ずいぶんと不思議な子…。それで、サクラ。何の用かしら？」
「あのね、シズクが…なんというか、予感みたいなので…」
サクラはもごもごといいずらそうに口ごもっていて、あまりいい知らせではないのがすぐにわかってしまう。俺はここで聞いていても良いのだろうか、少し悩む。
当のシズクはそんな空気も気にすることなくどこからか持ち出したマフィンを口に運んでる。
「…予感って、どんなの？」
「んんっとね、獣人か人間？が武器もってみんなに怪我させるの。酷いよ、本当。」
サクラの代わりに答えたシズクが満足そうな笑顔で、勘だけどおいらの勘はすごいよぉ！と付け足す。…あれ？いくつが疑問と違和感を感じた。獣人は基本的に生活用品以外の武器は禁止されてる…。だとしたら、獣人の反逆者…？いや、もしかして…
「ハンター……？」
アディーが俺の考えていたものと同じ答えを出す。その顔に一瞬憎悪を感じ自分に向けられたものでなくとも背筋が凍る。
「…ハンターって、なぁにー？」
重々しい空気を気にすることなく指先についたお菓子の欠片を食べ、問いかける。この空気の元凶だというのに楽観的だな。小さく呆れたように溜め息をこぼした。
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作者名：黒夏 | 作成日時：2018年3月30日 11時
