検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:7,299 hit

19話 ページ21

木の上からしなやかな動きで地に降り立つ彼、氷河を見やる。
この落ち着き様は、流石は経験豊富な先輩、と言うべきだろうか。

「ところで」

彼が静かに口を開く。数秒の間が、とても長く感じた。

「なぜ、【リンク】を使わなかったの?」
「……それは」

それは、劣等感を抱いているからだなんてどの口が言えるのだろう。言うべきか、言わないべきか。その間で俺の心は揺れていた。結局、だんまりになってしまったが。

「…別にいいけど。町、行かないの?」
「いや、行くよ」

未だにニコニコしているシズクに「行くぞ」と言うと、「うん!!」なんて元気に返してくれた。こういうときのシズクはありがたい。


氷河が指差した方向へシズクと共に歩いていく。シズクも歩いている…じゃない。浮遊している、か。
木々が生い茂る森は、全く景色が変わらない。同じところを歩き続けている錯覚を感じるほどだ。

「これから、どうするの?」
「ひとまず、町の様子の確認と…現状報告、かな」

 町は、きっと大惨事になっているであろう。皆が無事だと良いのだが。

20話→←18話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
設定タグ:創作 , しずふね , 創作小説   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:黒夏 | 作成日時:2018年3月30日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。