獣の海と雫の方舟 (ページ11)

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９話ページ11

冷めきって不味く感じる紅茶を渋い顔で、さきほどまでの疑問と一緒に流し込む。

「ん～？あっ！いたー！新人君だ！アディー！こっちー！」

この、高く幼い声を耳にすると、よくも悪くも思考が中断される。純粋無垢な子供のように屈託のない笑顔で話しかけられると、こちらも自然と微笑んでしまいそうになる。こいつはとても腹が立つ奴だが、どこか憎めないのはこういう所があるからだろう。

「…あ、ごめんなさい。遅れちゃって。」

「ごめんねー！んで、さっきの話の続き！ハンターさん達がたっくさんやってくるっておいらの勘がどうこうって話だったよね～」

「お前はよく笑顔でそんなことを言えるな。こんな話は全く楽しくないのに…。」

こちらが真面目に注意しているのに、シズクは全く悪びれもせずずっと笑顔。ほら、サクラとアディーだってあきれて苦笑している。

「シズクはそのままでも大丈夫…。続きを話そう？」

そしてサクラが、ハンターの過去の奇襲について話し始めた。