六打目 ページ6
｢フゥ⋯結構な量取れたな｣ｸﾞｲｯ
アキは中腰だった体を起き上がらせると、額に滲んだ汗を腕で拭う。
足元にあるカゴの中にはパンパンに入った山菜が見える。
｢つーか、夢中になって取りすぎた⋯食べ切れるかな(汗)｣
想定よりもだいぶ多く山菜を取ったアキはカゴを拾うと帰路に着いた。
｢⋯ん？あれ、なんか見慣れぬシルエットが⋯｣
アキがクリケットの家に近づいていくと、家の周りに複数の人影が見えた。
｢えぇ⋯、また黄金狙いのゴロツキかぁ？｣
アキは怪訝な顔を浮かべながら、足早に家に近づく。
クリ｢ん？なんだアキ、やっと帰ってきた＿＿｣
｢クリケットあぶなぁぁい！！｣
ドカァンッ！庭の椅子に座っていたクリケットの横スレスレにアキは飛び蹴りをした。
？｢うぉぉお！！？なんだコイツ！？｣
クリ｢このガキ何やってんだ！！｣
帰ってきて突然飛び蹴りを仕掛けてきたアキにクリケットは怒鳴る。
｢いってて⋯およ？よく見りゃ黄金狙いの集団じゃなさそう｣
アキは地べたに倒れながら冷静になって周りを見ると、ゴロツキだと思われていた人物たちは先程までクリケットと普通に喋っていた様子だった。
クリ｢たくっ、この早とちりが｣
女性｢アンタもさっき同じようなことしたでしょ(呆れ)｣
｢うーん？よくわかんないけどお客さんかぁ。こりゃ失礼した！！私はこのボロ屋に住んでる居候のアキだよ！君たちは何者だい？｣
スクリと起き上がり肩や膝の砂埃をパンパンとはらい落とすとアキは元気に質問した。
クリ｢埋めるぞガキ｣
｢えーっと、アキ、よろしくね。私たちはあの船で来た海賊なの。ちなみに私の名前はナミよ｣ﾋﾟｯ
ナミが指さした先には確かに麦わら帽子を被った海賊旗が掲げられていた。
｢麦わら帽子⋯ここじゃ見ない海賊旗だ、最近来たの？｣
ナミ｢えぇ、ついさっきね｣
｢今日か！いいじゃんいいじゃん。それで、そっちの人達は？｣
アキは目線をナミのそばに居た3人と1匹に向けた。
｢おれァ、キャプテーンウソップだ！｣
｢キャプテン？君が船長？⋯そっちの麦わらの人じゃなくて？｣
アキはウソップの言葉を聞き不思議そうに首を傾けた。
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作者名：鈴村十四郎 | 作成日時：2022年9月13日 22時
