五打目 ページ5
｢アンタだよ！！もう、せっかくチェリーパイ買ってきたのにさあ！｣ﾄﾞｻｯ
アキはムスッとした顔で机に先程買ったチェリーパイを置いた
クリ｢またか⋯俺はそれ好きじゃねぇつってんだろうが｣
｢クリケットが嫌いでもマシラたちが好きなんだからいいの！！って､アイツらまだ帰ってきてないの？｣
クリ｢あぁ､大方新たなサルベージもんでも見つけたんだろ｣ｽﾊﾟ-
｢そっかあ｣ﾄｻｯ
アキは荷物を置き終えると、椅子に腰かけた。
クリ｢⋯？おいアキてめぇ､またやったのか？｣
｢んえ？なにがあ？｣ﾑｼｬﾑｼｬ
一足先にチェリーパイを食べているアキにクリケットは声をかけた。
クリ｢返り血付いてるぞ｣
｢え⋯うわっ、ホントじゃん！あーもう洗い落とすのめんどくさいー！！｣
クリ｢⋯またバカにしたやつが居たのか。いつも言ってるが俺らの事なら気にするなと＿＿｣
｢ん？いや、今回は空島バカにされただけだよ！
それに前のは、クリケットたちをバカにされたからじゃなくて､人の夢をバカにしてる奴らがムカついたからさ。私の性分だから気にせんといてや｣ﾆｯ
クリ｢⋯⋯｣ﾎﾟﾝｯ
クリケットは眉をひそめてアキをしばらく見つめると､無言でアキの頭に手を置いた。
｢うお？へへっ、なんだよ、恥ずかしいなぁ〜｣
クリケットに撫でられたアキはニヘラと顔をゆるめ嬉しそうに笑った。
クリ｢⋯お前がここに来てから、色々世話になってる。お前が空島に行くチャンスがありゃ俺は手を貸す｣
｢へへっ！ありがとね、私一人で行けりゃよかったんだけど、流石に"
まっ､空に浮かぶ島に行ってみたいってだけだし､のんびりチャンスを待つよ〜｣
クリ｢そうか｣
クリケットはそう言うと､タバコを消し再び海へ潜りに行った。
｢って､あっコラ！？言ったそばから⋯！あのオッサン話聞かないのか！？コラァ！！？｣
ウガーと声を上げ怒るアキだったが､クリケットは帰ってこない。
｢はぁ⋯しょうがない。山菜でも取りに行こ｣
アキは暇つぶしも兼ねて森の中に山菜を取りに向かった。
"ジョージョー"
アキが森に入ると、森の中からおかしな鳥の鳴き声が聞こえてくる。
しかしアキはそれを気にすることなく山菜取りに勤しむ。
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作者名：鈴村十四郎 | 作成日時：2022年9月13日 22時
