十四打目 ページ14
｢無理矢理住み着いた私を､クリケットは嫌な顔をする所か､娘みたいに可愛がってくれて。
私､人生でこんなに家族みたいに接して貰えたこと無かったから凄く嬉しかったんだよね。
同時に､クリケットは私より何十歳も年上なのに､自分の夢を真っ直ぐ信じてて。カッコイイって思ったんだ。｣
アキは照れた様子でへへっと笑いながらそう話をした。
ゾロ｢(家族として接された事がない⋯⋯？)｣
ルフィ｢ひし形のおっさんやっぱいいやつだな〜！｣
｢そう！クリケットはいいやつ！だからクリケットを笑ったり悲しませたりする奴が居たら私＿＿＿｣
言葉を紡いでいたアキは途中で言葉をとめた。
チョ｢アキどうしたんだ？｣
｢⋯いやっ、なんもない！｣ﾆｯ
ロビン｢ところで､さっきの話で師匠という言葉が出ていたけれど､いったい何の師匠なの？｣
｢師匠からは戦い方をちょっとだけ教わったんだよ。1人で旅するってなるとこの海じゃ少しは力居るし｣
ナミ｢ってことはアキ､強いの！？｣
期待した様子で強さを聞くナミ。
｢いやぁ〜､そりゃ普通の人よりかはマシだけど⋯胸張って強いって言うほどでもないかなぁ？
4年修行したけど､私が元々ヒョロガキだったから､すごい強くなれたわけでも無いし。｣
ウソ｢なんだそうなのか⋯｣ﾌｩ
ウソップは､頼れる人間が増えたわけでは無いことにガッカリしたが､同時に少し安心した。
｢まぁ､誰かが困ってたら助けてあげられるくらいにはなれたかなぁ。⋯なれてたらいいなぁ｣
自分の手を眺めてそう呟くアキの顔は少し悲しそうで､優しい表情だった。
ルフィ｢？？｣
そんな話をしているといつの間にかクリケットの家が近くまで迫っていた。
｢あ､もう家着いた＿＿＿あれ⋯？｣ﾋﾟｸｯ
家の存在に気づくとアキは嬉しそうな表情を浮かべたが､何かに気づくとピタリと足を止め家の方を眺めた。
チョ｢どうしたんだアキ？なんか見えたのか？｣
そう言ってチョッパーはアキの目線の先を見るが､そこには何かがあるわけではない。
｢いや、なんか⋯クリケットの気配が⋯あれ⋯？｣
アキは家の方を見ながら､困惑した様子でジリジリと足を進める。
ルフィ｢なんだアキ？どうした？？｣
そばに居たルフィ達はアキの様子を心配したそぶりを見せる。
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作者名：鈴村十四郎 | 作成日時：2022年9月13日 22時
