遭遇したのは私の運命の人でした。(続)【黄】

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岩本 side




スタジオから出てタクシーに乗り、15分くらいでやっと病院に着いた。



とりあえず受付でAの名前を出して、今どうなっているのかを確認した。




岩本｢あのっ、岩本 Aってどうなったか分かりますか…？僕の妻でさっき破水してここに救急車で運ばれてきたと思うんですけど…｣



受付｢少々お待ちください。すぐに確認させて頂きます。｣




そう言われ、近くの椅子に座ってソワソワしながら待っているとすぐに呼ばれた。




受付｢岩本様、ご案内させて頂きます。こちらへどうぞ。｣




受付の人の後ろに着いて病院内を歩いていくと、産婦人科の分娩室の前に着いた。



そこからは産婦人科の担当者の方と変わった。




担当者｢かなり早いのですが、既に分娩が始まっています。立ち会いされますか？｣



岩本｢…出来れば立ち会いたいんですけど、Aの気持ちを尊重したいです。なかには立ち会って欲しくないっていう人も居るみたいなんで。｣



担当者｢かしこまりました。少々お待ちください。｣




実は出産を目前にして、分娩に立ち会う時に何に注意したらいいのかを自分でネットとかで調べておいた。



自分勝手な判断でAに迷惑をかけてしまったり、嫌な気持ちにさせたくなかったから。



もしAが入ってこないで欲しいって思ってるなら、立ち会いは諦めようと思っていると、担当者の人が俺のところに戻ってきた。




担当者｢お待たせ致しました。奥様は旦那様に会いたいとおっしゃっていますので、こちらの服に着替えていただいてもよろしいですか？｣




そう言われて渡されたのは、青い防護服。



菌とかが感染しないように病院の人達がみんな来ている服だった。



俺はすぐそれに着替え、担当者の人の後ろに着いていざ分娩室の中へ。



するとそこには、部屋の真ん中で顔を真っ赤にしながら頑張っているAの姿があった。




岩本｢A。｣



『っはぁ…ひーくっ……』



岩本｢ちゃんとスタッフさんにお願いして来たよ。もうちょっとだ、頑張れ…！｣




Aは息を荒くして看護師さんたちの合図でいきんで、凄く痛そうだし苦しそうだけど、でも落ち着いている。



俺は、そんなAの手を強く握ってひたすら声をかけ続けた。




岩本｢頑張れ……頑張れA。｣

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