Story 22 ページ24
Iwamoto side
一目惚れだった。
あの日。初めてAちゃんに会った時。
ぱっと一目Aちゃんの顔を見て胸が高鳴るのが分かったんだ。
『うわっ…！っっごめんなさい！』
そう言って俺に謝ってきた彼女は俺のファンで、俺のアクリルスタンドを持っていた。
けど、俺にぶつかってしまった事によってそのアクリルスタンドは真っ二つに。
普通だったら俺は軽く挨拶をしてそのまま去っていたかもしれない。
だけど、真っ二つになってしまったアクリルスタンドを見つめているAちゃんの表情があまりにも悲しそうで、何とかして助けてあげたいって思ったんだ。
だから、本当はダメな事だけどファンであるAちゃんを事務所のすぐ近くまで連れて来て俺は事務所内にあったアクリルスタンドをコソッと取ってきて交換してあげた。
『っ…本当にいいんですか？これ。』
そう言いながら困ったような、でもどこか嬉しそうな表情が俺にとっては凄く愛おしく思えて“今回だけ特別に”って言って渡した。
すると彼女は凄く嬉しそうに俺の顔を見てきて、思わず俺の思いが溢れそうになった。
けど、初対面の子にいきなり“一目惚れしました。好きです。”なんて言えるわけなくて。
もうこの子と二度と会えないんだろうなと思いながら彼女とお別れをした。
けど、その2ヶ月ほど後のことだった。
彼女は俺の前に再び現れた。
Aちゃんは凄く謙虚で、事務所の前で少しでもいいから話をしようとしたら…
『…あ、今からお仕事ですよね？私とこんな所で喋ってたら他のファンの人とか来たらすぐに見つかっちゃう…』
って、俺の事も気遣ってくれてすぐにその場を去ろうとした。
けど、俺は次こそ本当に会えなくなると思って急いでAちゃんを呼び止めた。
もうその時はファンの人とか事務所の人に最悪バレてしまっても良いとさえ思っていた。
それくらい会えた事が嬉しくて少しでも長く話がしたかったんだ。
連絡先も本当は聞きたかったんだけど、俺にはそんな勇気なくて結局聞けたのは、“アクリルスタンドを凄く大事にしてくれている。”っていう事と“A”っていう名前だけ。
あと、俺はAちゃんにその時意味深な事を伝えていた。
岩本｢今日会えたのも不思議と偶然とは思えないんだよね…｣
これは俺の正直な気持ち。
もしかしたら本当に彼女と会えたのは運命なのかもしれないから。
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紀美ちゃん - 初めまして，作品を読ませて頂いてます。初めて読む事ができ、書く方に対してどんなストーリーが気になり，読む楽しみしてます．また次回も，来月も楽しく書いてくれたら嬉しいです。絶対読ませていただきます。 (2022年10月12日 10時) (
レス) @page48 id: 6732d212f2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - きゅんきゅんしました！完結おめでとうございます♪ (2022年8月20日 13時) (レス) @page47 id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち - お疲れ様でした。無事に恋人になれてよかったです。続編も楽しみです。 (2022年8月11日 1時) (レス) @page47 id: 029fc8293f (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - お疲れ様でした！すごく素敵な作品に出会えて幸せです！ (2022年8月10日 21時) (レス) @page47 id: 5fc2fdf269 (このIDを非表示/違反報告)
Mochi(プロフ) - あっぷるぱい。さん» コメントありがとうございます。素敵な作品と言って頂けて大変光栄です。続編の短編集も現在作成中ですので、そちらも楽しみにいて頂けると嬉しいです。これからも皆様に楽しんで頂けるお話作成頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。 (2022年8月10日 19時) (レス) id: c3136e4c96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mochi | 作成日時：2022年7月28日 19時
