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174話:罪を償う ページ16

「は?」

「え…」



その場にいる全員が、声の方を向く。





そこに立っていたのは、九頭龍Aその人であった。




『聞こえなかったのか?

私が引き受けると言ったんだが』

「っ!?」

「えっ!?」

「く、九頭龍様!?何を言って…!?」


彼女の言葉に、さらに騒つく審神者と役人達。


『どうも聞き捨てならなくてね。

"ブラック本丸にいる刀剣は救えるわけない"?

やってもいないくせに、よくもそんなことが言えたな』

「…っ」


彼女の紅い双眸が、冷たく男を睨む。


『"救える"か、"救えない"かじゃない。





"救う"んだよ。




私達と同じ人間が、刀剣達に犯した罪を"償う"んだ』



「「「「「っ!」」」」」




その場にいる全員が、彼女の言葉に息を呑んだ。

彼女は男に視線を向けたまま続ける。



『まぁ、そんな覚悟なんて最初から持っていないお前には、無理な話だろうな。


だが、私はやる。

人間として、審神者として。



私は彼らを救いたい』



Aは、男審神者の役人に近づく。


『その本丸の登録番号は?』

「え、えっと____です…」

『分かりました』


役人や、男審神者、他の審神者達など眼中にも入れず、彼女はモニターに再び歩み寄る。

そして、迷いなく機械で引き継ぎの手続きを始める。


『これで良いですよね?』


確認をお願いするように、彼女は自分に付いていた役人に尋ねる。

「貴方という方は…」

『すみません。こればかりはどうしても譲れないので』

彼女は役人からの指摘がなかったからか、そのまま【決定】という文字を押した。


『私が担当するはずだった本丸は、お前に譲ってやる。いいよな?』

「あ、ああ…」

『じゃあ、どうやら他の手続きもあるようなので、私はこれで』


そう言って、役人と共に彼女はその場からスタスタと歩き出し、部屋から出て行った。

175話:話の終わり…?→←173話:救えるわけない



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フレイ(プロフ) - 雪羅さん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉!ありがとうございます!これからも頑張っていきます!(*・∀・) (2018年3月24日 20時) (レス) id: f638cd6f6f (このIDを非表示/違反報告)
雪羅 - 初コメです。一気読みしました。とっても面白くて感動しました!主人公の性格が、私の大好きな感じドストライクで…!!これからも頑張って下さい!応援してます! (2018年3月24日 10時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
フレイ(プロフ) - かなみさん» コメントありがとうございます!頑張っていこうと思います(*´∀`*) (2018年3月22日 17時) (レス) id: f638cd6f6f (このIDを非表示/違反報告)
かなみ - このお話大好きです!みんなが幸せになれますように (2018年3月22日 12時) (レス) id: 1c1fe68b1d (このIDを非表示/違反報告)
フレイ(プロフ) - 粟田口1009さん» コメント返信が遅くなってすみません!!(ll゚д゚)ありがとうございます!!(*´∀`*)嬉しいです!最後まで頑張ります!!(*'д'*) (2018年1月21日 1時) (レス) id: f638cd6f6f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フレイ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年8月8日 11時

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