【刀剣乱舞】私はお前達を救いたい 〜５〜

170話：いつも… ページ12

加州side



主は、政府の役人の人達のお陰でなんとか大丈夫だった。


霊力の消耗による身体の負担が酷かった所為だろうって、医者の人は言った。



しかも、身体の傷が前のように開いていた。



頰の傷と霊力を使った両手の怪我。



貧血にもなっていたようで、暫く安静にさせないといけなかった。

俺達の目の前で、あれだけの吐血をしたんだから…当然の症状だ。


主の意識は、一週間経っても戻っていなかった。


前は一日だったけど、あの時とは比べものにならない状態だから無理もない。



主の側には代わる代わる全員で付いてる。



俺も皆も、今か今かと主が起きるのを待ってる。



それから2日が経った時だった。



夕餉の時、乱が言った。




乱「なんか……主さんがいないと寂しいね」


全「「「「「………っ」」」」」





痛いほど理解できた。




主がいないだけで、この喪失感。




＿＿『この味噌汁めっちゃ美味いんだが…』

＿＿『美味しいってのは口に出してもいいだろ？』

＿＿『美味い飯が食えて幸せだろ？そう思わないか？』

＿＿『作ってくれてありがとうな！すっごく美味しいよ！！』

＿＿『美味い！やっぱ美味いわ〜！』

＿＿『やっぱり、飯は"皆一緒"だ！』




朝餉の時も。

昼餉の時も。

夕餉の時も。


いつも皆がいた。


……主がいた。


『美味しい』って言って笑う主がいた。





ぐすっ…と誰かが鼻をすする。



目が覚めることは分かってる。

けど……








……この時間を耐えるのは、なかなか堪えた。









すると、そんな雰囲気になっている大広間に、"あいつ"が姿を現した。




主が意識を失ってから、姿を見せなかった＿＿









朱「大丈夫か。お前達」









＿＿朱血姫だ。

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