【刀剣乱舞】私はお前達を救いたい 〜５〜

169話：どうか＿＿ ページ11

『悪いな……勝手に突っ走って』


加「そう言うなら…最初からしないでよ」


遡行軍を全て打ち倒し、敵のいなくなった草原。

そこにいるのは刀剣男士とその主。


しかし、その主は今、横になって加州に上半身を抱きかかえられていた。

小「主…っ」

蛍「主…っ！ひっぐ、うぅ……」

愛「う、うぅっ！」

『泣くな泣くな、私は平気だよ』

乱「でも…でも……主さん…！」

秋「しゅくん……うぅ、ひっぐ…」

前「う、うぅう……」

『ごめんなぁ……いつも、心配かけて』

泣きじゃくる彼らに声をかけるA。

だが、その顔色は悪い。



三「すまない…！俺達が愚かな行いをしたばかりに……！！」


三日月達も頭を下げる。

だが、Aは心配をかけまいと笑いかける。


ただ、声は出せていなかった。


代わりに、彼女の頰や口から赤が流れた。


『ゲホッ、ゴホッゴホッ！』


全「「「「「主／主君／主殿／主様！！」」」」」


『うっ、あ……はぁ、はぁ……っ！』


糸が切れた人形のように、Aはガクンと項垂れた。

全「「「「「っ！！」」」」」

加「ごめん主…！すぐに本丸に戻るから！！」

山「全員急げ！！」

血で汚れる彼女を、太郎がそっと抱え上げ次郎が寄り添う。


そして、彼らは急いで本丸へと帰還した。









こ「皆様！！ご無事で…っ！？審神者様！！」



加「こんのすけ！主が、主が大変なんだ！！」



出迎えてくれたこんのすけに叫ぶ加州。

こんのすけは「お任せを！！」と駆け寄る。

こ「これは……！


とにかく、政府の役人と医者をお呼びします！！



後は我々にお任せを！！」

こんのすけは政府に連絡を取り、彼らに指示を出す。






数分後には、政府の者が到着し、加州達は意識のないAを彼らに任せた。








＿＿＿＿どうか、主を助けてください






と、切なる願いを胸に秘めながら。

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