プラスまで歩きましょう。（短編集）【nino】 (ページ30)

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【お正月番外編】ページ30

☆

「ただいまー、あー疲れた」

「おかえりなさい、お風呂沸かしてくるね」

帰って来て早々に
こたつを暖めて中でぬくぬくする
首まで入るとついうとうとしてきた

「カズナリくん？コーヒー飲む？」

目を開ければマグカップを
両手に持ってこたつの側に寄ってきた猫
のっそりとこたつから体を起こして
机に突っ伏してAを見上げる

「…………お前疲れてないの？」

「実家だからそこまでは疲れてないかな、カズナリくんは気遣ってくれたから仕方ないよ」

「嫁さんの実家だからねぇ、よく見られたいのは当然でしょ」

「………………うん」

反応が少し遅れたのをちらりと見ると
相変わらず真っ赤になって照れてるから
可愛いなぁとしみじみ思って頬をつまむ

「なーに照れてんの？」

「ずるい」

「何が？思ったこと言っただけでしょうよ」

「……そういうとこがずるい」

こたつに籠城されました
いつかもされたんだよなー

「おーい、出てこないの？」

「…やだ」

「もー、じゃあ俺風呂入ってくるよ？」

「入浴剤出したから入れて」

「はいはい、分かりました～」