衝撃展開 短編「２」 ページ18
☆
「おかしい…」
「どうした、ニノ」
あれから１週間、
Aの挙動不審は続いていた
今日は別ロケで相葉松本は地方
残ったメンバーで雑誌の取材を受けてる
「Aが最近変なんだよね、どっか線引きされてるっていうか近付くと逃げる」
「えええ？恥ずかしいとかじゃなくて？」
「今まで平気だったのが突然ダメになったんだよ、食べ物の趣味も変わってるっぽいし…俺に内緒で病院行ってるみたいだし」
「病院？どっか悪いってこと？」
さすがの大野さんも食い付く
そりゃ自分の妹に何かあったら気になる
その隣で話を聞いていた翔ちゃんが
考え込んでふと思い付いたのかと思えば
大野さんを見て困った顔をした
「あ、翔ちゃん思い付いた？」
「いや…でも違うかもしれないし…」
「翔ちゃんの方が知識豊富だし、何でもいいから言ってみてよ」
そうそう！と大野さんも
一緒になって翔ちゃんを促せば
「言っていいのかな…」と悩んだ末に
「………………………妊娠、とか…？」
「………………えっ？」
「………………んん？」
大野さんの視線が一気に
俺に刺さるようになったのは絶対気のせいじゃない
「な、なんで…？」
「妊娠すると食べ物の趣味が変わるって言うし、それに俺らの職業的に表立って言える事じゃないから内緒にしてるのかなって」
そう考えると
最近一緒に寝ないのも
俺が手出すとまずいからとか？
近付くと逃げるのってお腹を庇って？
色々考えていると
ずっしりと重くなった俺の背中
この人も複雑な心境だとは思う
自分の妹がもしかしたら、なんて
「…ニノ」
「…はい」
「マジで妊娠だったらどうすんの？」
「正直ちゃんとそこはしてるつもりだったんであり得ないと思ってたんですけどね、そりゃ籍入れるしかないでしょう」
「事務所に反対されても？」
「別れる選択肢はないよ。俺の子でしょ？だったら俺が育てなきゃ」
そこは絶対に譲れない
仕事に問題が生じたら挽回するまで
精一杯仕事するしかないでしょうよ
「……分かった、今日ニノんち行ってもいい？Aに会いたい」
「いいよ、俺も１人より心強いわ」
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作者名：くろさき
| 作成日時：2016年8月11日 21時
