第四十話 ページ42
、
そんな先生達の驚いている顔を横目に俺はニコリと笑って、先生達の方を向く。
「孤児院の先生方、今までお世話になったな！
これからは、政府がこの孤児院を援助してくれるらしいから、お金の心配はしなくていいってばよ。
そんで、みんなに腹一杯食べさせてやってくれよ!!」
俺のその言葉に、先生は更に驚いた顔をする。
そりゃ、子供がそんな事を知っているわけねぇからな。
「ウチのナルトがお世話になりました。
さ、ナルト その車に乗って。サスケも中にいる。」
カカシ先生がお辞儀を孤児院の先生方にして、俺に車に入る様に促した。
「な、ナルト君？貴方って何者なの...。」
香代先生が驚いた様に口を開けて、俺に問いた。
「俺ってば『ナルトはヒーローになる奴だ。』...サスケ。」
「俺と一緒にな。
ナルト、お前は余計な事を口にしそうだから、あまり喋るな。」
香代先生の質問に答えようとすると、いつの間にサスケが車から出て来たのか、俺の言葉に被せて答えた。
別に被せて喋るのは良いが、一言多い。余計なお世話だ。
「俺だってちゃんと考えてんだぞ、大丈夫だって。」
そう言うと“ﾊｧ”とため息を吐かれた。解せん。
「お前ら言い争いはやめて、もう車に乗れ。後は俺が説明しとくから。」
カカシ先生が俺らに向かって言った。そして、あっち行けと言わんばかりに手で空気を払った。
「そうだな。行こうかサスケ。」
「あぁ。」
俺が居ても話がややこしくなるだけだと思い、その場はカカシ先生に任せて車に乗り込もうと、車のノブに手を伸ばした時。
「ナルト!!今までありがとーな!!」
「いつでも帰って来ていーからね!!」
と言う声が後ろに聞こえた。
俺はすぐ様後ろを振り返った。声の主はもうわかって居たけど、そちらを見ずには居られなかった。
洸と京だ。
急いできたのか、2人は裸足で玄関の前に立って居た。
2人の涙で濡れた顔が、朝日で光る。
「洸 ...京....。」
2人の顔を見たら自然と涙が流れてきた。
「...またな！」
涙でぐちゃぐちゃな顔を、無理矢理笑顔にして叫んだ。そして両手を思い切り振った。
2人も手を振り返してくれた。
そして、俺はサスケと車に乗り込んだ。カカシ先生に孤児院の先生の説明を任せて。
車の中でも涙は止まらなかった。一緒にいた月日はそれほど長く、楽しいものだった。
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 206人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
メンマ - とても素晴らしい作品です！今後もコラボ作品などありましたら、ぜひ読ませてください！続編楽しみにしています！ (2020年5月14日 13時) (
レス) id: da87e667eb (このIDを非表示/違反報告)
黒紗(プロフ) - ミリアさん» こちらにコメントがあったとは知らず気づくのが遅れました、すみません。リクエストをもらったので考えさせていただきます。でも知らない作品もあるのでいつになるかわかりません。私の作風が気に入っていただけたみたいで嬉しいです！ありがとうございました。 (2018年2月16日 19時) (レス) id: 7e246d1a4b (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - すごく気に入った作品ですもし今後他の作品を作る予定があったらヒロアカかナルトのキャラがワールドトリガーかアニメKか転生したらスライムだった件の世界に転生かトリップかコラボした作品が読んで見たいです説明が下手ならすみませんこれからも頑張ってください (2018年2月9日 21時) (レス) id: 9bec705c08 (このIDを非表示/違反報告)
黒紗(プロフ) - こよみさん» それそれはありがとうございます！あは、気分更新で頑張りますね！ご指摘有難うごさまいます！すぐ修正しますーー (2017年10月29日 17時) (レス) id: 7e246d1a4b (このIDを非表示/違反報告)
こよみ - 評価求められたんで、評価しましたｗこれからも頑張ってください！あと、半冷などの半が反になってますよ (2017年10月29日 16時) (レス) id: f023845f50 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒紗 | 作成日時：2017年6月27日 6時
