夢境の恋人２【H×H】

イッパツ ページ50

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「あと少しですよー」





時が経つこと5時間後。
あのあとアマネさんが「今日の訓練はなし！」と言ってくれることはなく、引き続きクライミングが強要された。
岩肌が崩れて何度も落ちかけたが、一度落ちた経験から絶対に落ちまいという恐怖心が私を頂上にまで導いてくれた。





「……ふっ、ファイトォ……！」





「その意気です」






ついに私は平坦な地へと手をついた。
アマネさんには、いっぱ〜つ！と言って欲しかった。
それよりも、最初は無謀と思えた挑戦がまさか達成できてしまったのだから、アマネさんは余程の成長を見受けられただろう。






「げほっ、……すこし、きゅうけい……」





「お疲れ様でした。





……正直、リタイアすると思ってましたのでAさんの成長ぶりに驚いてます」






いつもは一切表情を変えないアマネさんの瞳が、いつもより輝いて見えた。
普段、というか一切褒めることをしないアマネさんのその言葉に私は過剰に反応した。






「えっ……！？今褒めてくださいました！？！よね！？！？」






「褒めてなどいません。期待値を超えた事に驚いただけです。」






「それって褒めてますよね！？！見直したって事ですよね！！？」






「断じて違います」





素直じゃないアマネさんとの、褒めた褒めてない攻防は続いた。

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