夢境の恋人２【H×H】

苦 ページ44

その言葉は、小説を書きたくてたまらなかった私にとって救済の言葉だった。
逆にいいんですか？！と言いたくなった。





「え……はい、もう全然、書きます、ぜひ……！」





「念の修行も進めたいところだけど、どうやら君の念は戦闘向きじゃないみたいだし。




その代わり、基本的な戦闘訓練は続けてやってもらうから。」





「えっ。



……いや、うん、わかりました。」





やっと死ぬほどキツかった訓練とやらから解放されると思った。
しかし甘かった。この人は私を道具として育てたいわけであって、それに見合った体術は身につけて置かせたいんだった。





「じゃ、今日もアマネが付いてくれるから。」





「あ……はい。」





ぱたん、とドアを閉じてイルミさんはどこかへ行ってしまった。
……正直この生活が苦だと言ったら嘘になる。なんだかんだ優しい人もいるし、美味しいご飯だって出てくる。
ただ、クロロさんに会えないことを除いたらの話だけれど。

加速→←相互益

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す