夢境の恋人２【H×H】

履歴 ページ38

「あのっ、私の携帯はどこに……？」




「それなら、電源を切ってこちらで管理してます。




ゾルディック家に従属する意を誓うまでは、助けなどを求められては困りますので」





助けを呼んだとして、ここに来られるような友達は私にはいない。
ただ1人、クロロさんはイルミさんとお知り合いらしいけど、彼がきてくれるとは思えない。
そういえば、小説だってまだまだ途中だし、クロロさんとの取引だって……





「……と、思いましたがここは警察の手も届かない場所ですし、イルミ様がAさんに携帯を返してもいい、との承諾を得ましたので。





こちらをお返し致します」





「え……！」





まさか返してくれるなんて思ってもなかった。だからこそ驚いたが、何よりクロロさんから電話があるのかどうかが気がかりだった。





「ありがとうございますっ」






「もう身体も動くようなので、夕食の後は本格的に念の習得に入ります」





アマネさんが出て行った部屋で、早速携帯の電源を入れた。
するとそこには、私の期待していた人物からの着信履歴が残っていた。
一瞬心の中で舞い上がったが、これはしばらく音信不通であるビジネスパートナーを心配しての電話だ。それ以外の何でも無い。
何しろ、一件しか入ってないのだから。

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