縁側の八つ時 ページ9
A side
あっという間に時間が過ぎた。
足も元に戻って歩けるようになった。
と言っても、なにか支えが無いといけないけど。
最近の楽しみは、ハクロウお爺さんと縁側に座ってお話しする事。
その時一緒に出されるお菓子も食べてみるけど、やっぱり味はしないしその後少し気分が悪くなる。
毎日少しずつ食べていけば、なんとかなるのかな？
「Aよ。あれからずいぶん経つが、どうじゃ？ここでの暮らしは。」
「うん、楽しいよ。こんな穏やかに暮らすのは、初めてかもしれない。誰も殺さなくてもいい…自分の力を抑えなくていいのは、本当に楽で…嬉しい。」
「そうかそうか、それは何より。」
ハクロウお爺さんとこんなに喋るの子供の時以来かな…。
昔を思い出して、とっても嬉しい。
本当、私…闇耳長族が、のんびり暮らしているなんて…奇跡だな。
「ねえ、お爺さん。私…生まれ故郷を見てみたいの。武装国家ドワルゴン…だったかな、私の生まれた国。まぁ、入れないと思うけど。外から眺めるだけでいい。一瞬だけでもいいから、どんな国だったかをみたいの。」
もう殆ど覚えてない…まだ耳長族だった頃住んでた国。みんな暖かくて優しい人ばかりだったと思う。
でも、親の顔すら思い出せない…忘れてしまった。
進化する前の記憶が、抜け落ちたように…きれいに消えてる。
本当に、その国に住んでいたのかな。
自信ないな。
うつむいた私の頭を、ポンポンと撫でる手。
「…いつか、見に行くといい。自分の足で、自分の意思で…見たいものを見にいけばいい。わしらの寿命は長い…そう焦らずとも必ず行けるわい。」
ハクロウお爺さんの手は、マメやタコが潰れて硬かったけど、とっても…暖かいくて、優しい。
「さて、わしはそろそろ修行を見てやらねば。A、またこのじじいに付き合ってくれ。」
「うん。楽しみにしておくね。」
ほけほけと笑って去っていく背中は、とても大きくて、かっこよかった。
私も、あんな感じにかっこよくなれるかな？
「やっぱりかっこいいな…お爺さんみたいな人が親だったら、すごく…楽しそう。」
こんな事考えるくらいには、私も余裕ができたって事なのかな？
そうだったら、嬉しいな。
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あたりめ(プロフ) - ビアンカさん» ぬやっ！ありがとうございます！更新がどんどん遅くなってきている気がするのですが、絶対完成させますので、気長にお待ち下さい。(o^冖^o) (2020年7月1日 22時) (
レス) id: a8549bdcf0 (このIDを非表示/違反報告)
ビアンカ - とっっっっても面白いです！頑張ってください！ (2020年7月1日 21時) (レス) id: 8342502802 (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ(プロフ) - スライムさん» ひぇ、ありがとうございます！そう言ってもらえるだけで、発狂しそうです。執筆頑張ります。亀更新ですが、気長にお待ち下さい(o^冖^o) (2020年5月15日 18時) (レス) id: a8549bdcf0 (このIDを非表示/違反報告)
スライム - 今日見始めたのですが、すごく面白いです！作者様のペースで構いません！完結してください！お願い致します(土下座)。 (2020年5月15日 17時) (レス) id: a72074cebf (このIDを非表示/違反報告)
舞京(プロフ) - あたりめさん» 待ってます！ (2020年4月19日 23時) (レス) id: 8bc37d8fd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あたりめ | 作成日時：2020年3月25日 11時
