幻影旅団の孤独なお嬢様

＊　３日目　＊ ページ7

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翌日の朝一番、俺たちはまだ朝日も昇らぬ内にホームを出発し、隣国の『ディアレグネ王国』の大都市、『ルシェルドシティ』に向かった。


ルシェルドシティまで、車とフェリーで約３日
俺たちの目的はその家具屋でも高価な調度品の数々。

シズクにはいつものように掃除機でモノを吸ってもらう。
これがまた便利な掃除機で、生きているモノ以外はなんでも吸えるという。

とりあえずその便利な掃除機でAが欲しいモノを全部吸い取る。
勿論、Aが見ている前では実行しないが。


「わぁ、これが海なんだぁ....キレーイ....」


今はフェリーに乗って『ノドラ海域』を移動中。
今まで海を見たことがなかったのか、Aは広い大海原を見て感動していた。


そこでひとつ疑問が生じた。


....Aの故郷は一体何処なのだろうか？



まだ９歳のAだが、住んでいた土地の名前くらい知っていても良いのに、Aは自分の故郷の名も、どの地方に位置するのかも知らなかった。
もしかしたら親がAに教えなかっただけかもしれないが、これではAを親許(おやもと)へ帰すこともできない。



いや、Aの親はAを捨てた。そんな親の許(もと)へ帰しても良いのだろうか？

........良いワケがない。



それにもう、Aは俺たちの家族だ。
きっと他のメンバーたちもAを親に帰すつもりなどさらさらない。


しかし、どうしたらそんな血も涙もないような親から、こんなにも可愛らしい子供が産まれるのだろうか？
それが今の最大の謎だな。


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