幻影旅団の孤独なお嬢様

＊　１１日目　＊ ページ15

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車で約７時間。長い渋滞の末、やっと繁華街に着いた。


....着いたは良いが、もう既に時計の針は１０時を回っている。
間に合わせで近くのコンビニのパンを何個か食べたから今夜は大丈夫だと思うが、やはり食べに行くのは明日になってしまうな。


もうとっくにAも寝ているし、俺たちも疲れている。
特にシズクは今日Aの世話をやきっぱなしだったし、まだ幼くて遊びまくって疲れているAよりもかなり疲れているだろう。

なにしろ、いつもAが寝付いてから自身も寝付くのに、Aより先に寝てしまったのだから。


一方のフェイタンはというと、俺たちが寝る時は絶対寝ない。
俺たちが起きていて、尚且つ(なおかつ)Aの面倒を見る者がいる時のみ少しの仮眠を取るくらいだ。


これはホームに帰ったら即バタンキューだ。軽く３日は寝続けるな。
もう少し寝ていても構わないのに。


....ただ、早く寝ろと言わんばかりの眼光で俺の背中を見るのはやめてほしい。
視線が痛いぞフェイ。寝るに寝付けない....。

俺はフェイタンが映っている車のミラーをなるべく見ないように瞳を閉じた。
鏡越しとはいえ、見られてる感はハンパない。
だが此所は気にせず寝なければ....落ち着け俺。



そんなことを考えている間に夜は更け、結局一睡も出来ずに朝を迎えてしまった
全部フェイの所為だ....！
この野郎、俺の少ない睡眠時間を返せ！！というか、返してください。


「団長、目の下に隈できてますよ。昨日寝られなかったんですか？」


にぎわう繁華街の街並みをゆっくり歩きながら、大きくて中身もぎっしりと詰まった肉まんを片手にしたシズクが俺に尋ねる。

Aの食いしん坊が移ったのか、最近はシズクも良く食べるようになった。
相変わらず見た目の変化は無いが。


「早く寝ないからね。」


コイツ....誰の所為だと....！！
流石の俺だって一晩中背中に視線感じながら寝るなんて不可能だ。

なんであんな虚ろな目してるクセになんて視線が鋭いんだ....！！お前は悪魔か！


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