ハーフのお兄ちゃん ページ6
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部活中。Aちゃんは昨日と同じく舞台で見学していた。やんちゃでもなければワガママでもない女の子な為、面倒見ていなくとも練習に集中できた。
「………。宿題」
流石に練習を見ているだけで飽きる時が来る。さっき解けなかった問題に再び顔を合わせる。
「わっ!!!」
「……!!?!?!」
問題に集中し過ぎて全く気付かなかったA。ビクッと肩を鳴らし後ろを振り向く。
灰羽「ビックリしただろー!!」
「……」
怖くなったAは急いで灰羽から離れ黒尾の元に向かう。
しかし今は練習中。迷惑を掛けてはいけないと思い舞台ギリギリで降りるのをやめる。
灰羽「あれっ黒尾さんの所行かないのか?」
「……今練習中。邪魔しちゃダメ。」
灰羽「あー確かに。いい子だな!!」
ニコッと笑うとAは彼に対しての警戒心を少しだけ解く。が、それでもこの場を早く逃げたいと思っているAだった。
灰羽「何やってるんだ?」
「……学校の宿題。」
灰羽「あっ小学校の問題なら俺わかるかも!!」
その発言で彼は今の高校の問題に追い付いているのかと思うA。しかしわかると言った。とりあえず聞いてみる。
灰羽「あー時計か!!この問題は60分だな!!」
「……?? どうして?」
灰羽「どうしてって1時間は60分だから。」
「………。」
解答欄にとりあえず60分と書いた。合っているのかもしれないが理由を聞いてもよくわからなかった。
「じゃあ1日は何時間なの?」
灰羽「それは24時間だな!!」
「なんで…?時計は12までしかない。」
灰羽「でも24時間なんだよ!!」
やっぱりわからない。ちゃんとした理由もなく断言されてさらに困惑するA。
するとコートからお呼び出しの声が。
夜久「リエーフ!!何やってんだ!!早く戻って来い!!」
灰羽「ヤベッ!夜久さんスッゲェ怒ってる…!!
じゃあなA!!」
舞台から降り、すぐコートに戻る彼を大声で呼び止め
「あ、ありがとう…!」
とか細い声でそう言った。
灰羽も答えるように笑顔でAにグーサインを出した。
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作者名：S.M.I.R | 作成日時：2018年1月6日 0時
