今日も光は色を変える。 (ページ3)

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とりあえず立ち上がり、壁づたいにゆっくりと歩き出していく。

『夢、なのかな...にしてはリアルな感覚...明晰夢？みたい...と言うかここ...お城...？』

と一人呟く。耳鳴りや目眩はもう無いが、まだ少し目が痛い。

(何なんだろう、ここ最近ずっと目が痛い)

と立ち止まって目をおさえる。

するといきなり後ろから右手首を捕まれ、強引に引き寄せられると首にナイフを当てられる。

zm「...誰やお前。何でこんなとこにおんねん。目的は。」

と耳元で男の人の声が。

『あ...えっと...』

ナイフを首に当てられた事なんて勿論無いため、冷や汗がすごい。なんて物騒なの。いやもうそんなことより私のさっきのリアクションは完全【何かをしでかそうとして見つかった人】だ。やばい。

『...えーっ...と...ここ、どこですか…』

zm「は？」

妙な間が生まれる。ですよね。バカか私は。何で質問に質問で返すんだ。でも何でここにいるのかなんて私が聞きたいところだし目的なんてあったもんじゃない。

『…あっ、質問の答えですよね、質問…えっと、私Aっていいます…』

zm「…何でここにおったん。」

『えっとー…………何でですかね…』

zm「……目的は。」

『ない…です。はい。多分ないです。』

zm「…バカにしてるん？」

と問われ出来る範囲で精一杯首を横に振る。

が、動いたせいで当てられていたナイフの切っ先が当たり切り傷が出来てしまった。

『いっ……』

思わず声が漏れる。首に切り傷なんてのもしたことない。痛すぎる。私が痛みに静かに悶えていると首からナイフが離れる。

と、唐突にうなじ辺りに強い衝撃を受け、そこでまた私の意識は途切れた。

*

目が覚めるとベッドに寝ていた。中学生の時よくサボりにきていた保健室と同様、カーテンで仕切られていたが、カーテンの外からはワイワイと声が聞こえていた。

『ここは…』

shinp「あ、目ぇ覚めた～？」

と声が聞こえたのか見知らぬ人が少しカーテンを開けて声をかけて来た。

shinp「それ、切れてる範囲が広かったからちょっと処置が大げさやけど切り傷だしすぐ治るよ～」

『はあ、…ありがとうございます』

首を指さしながら言われたので自分の首を触ると包帯の様な感触があり、巻かれているのだと分かった。