第一話 非日常×現実 ページ3
(ピピピピピピピピピ....)
気付けば目覚ましが響いていた。
腕を伸ばして止める。
睡魔に意識を持っていかれそうだったが、それをなんとか押しとどめて、着替えを開始する。
手早く顔を洗って軽く歯磨きをする。
それから荷物をまとめて家を出る。
朝は基本的に食べない。
時間は無くもないが、生理的に受け付けない気がしている。
学校までは電車。
近いところでも良いのだが、親が少しばかり頭の良い私立中学に通わせたくて、この現状である。
しかし、そんな所に通っていたところで何かやりたいことがあるのかと言われると、自分の答えは「ノー」で、だからとくに楽しみも無く、苦悩も無くといった感じだろうか。
中学生らしく何かに熱中しても良いのだろうが、これといって僕の好奇心を揺さぶる物は無かった。
とりあえず勉強はしていたから勉強には困らなかったし、まぁ、ハプニングも何も無いよねっていう生活。
駅から学校まではさほど遠くない。
通学中の生徒を数名抜かして行く。
校門をくぐって教師数名と会釈だけで済ませ、教室にむかう。
それで教室に入れば、周りのやつらにとりあえず形だけの挨拶を交わす。
そのまま席について、短学活を待つ。
毎日決まったサイクルで回っていく。
何も変わらない退屈だと思うかもしれない。
(僕にとってはむしろ逆なのだが)
毎日変わらない日常。
それを覆そうとやって来る非日常の種をどうやって日常に変換するか。
ありふれた毎日作り出すにも、苦労はつきものなのだ。
この思考を理解してくれた人には、残念ながら出会ったことが無い。
多くの人間は突然の非日常を楽しんでいる。
(僕も基本的には変わりないのだろうが)
人々はその非日常に「向き合う」と僕は解釈している。
つまり多くの人間は、突然やって来る非日常を、自分の日常と融合させて生きているということになる。
ハプニングも織り込み済みの日常なのだ。
対して、僕はそもそも日常へと変換していく。
変わりようの無い日常こそが、僕における日常の在り方だ。
この違いに、多くの人は納得が出来ないようだ。
それにしても、人生の中で朝の短学活ほど無意味な時間は無い。
そう感じていた時のこと。
僕のようなちっぽけな存在なんかででは太刀打ちできない非日常が、突然現れた。
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ゆっちー(プロフ) - よかったらいつでもネタ作り付き合うぜ〜 (2018年6月6日 23時) (レス) id: d88fef43ba (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちー(プロフ) - すげえな。お疲れ様。 (2018年4月23日 23時) (レス) id: d88fef43ba (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちー - pcの私のお気に入りファイルの中全部消えた (2018年3月4日 19時) (レス) id: d88fef43ba (このIDを非表示/違反報告)
黒崎藍澪 - どーも (2018年2月26日 18時) (レス) id: acea978828 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちー - このグラデーションいい!! (2018年2月24日 21時) (レス) id: d88fef43ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒崎 藍澪 | 作成日時:2018年2月12日 10時