9.思い出の中の貴方 ページ9
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鉄くんに会いに、音駒高校までやってきた。
バレー部の練習場所を探せばすぐに見つかるはず…だけど。
中学時代の鉄くんを思い出した。
彼女をマネージャーにはしたがらなかった彼。
きっと、部活の領域に入ってこられたら、嫌なんだろう。
練習中に顔を出したら、迷惑をかける。
マネージャーとして、鉄くんの一番近くで応援したかった。
関わっていたかった。
でもそれは、真剣にバレーをやっている彼にとっては、邪魔なことだったんだ。
今更ながら、いかに自分のことしか考えていなかったかを痛感した。
他の女の子がマネージャーとして近くにいるなんて嫌だった。
そんなの私情だった。
「鉄くん…ごめん」
校門で彼を待ちながら、昔のことを思い出しながら
話したいことをまとめていたけど
うまく言葉に出来ないかもしれない。
「何やってんの？」
聞き覚えのある声に振り返ると
外をランニングしていた様子の鉄くんの姿。
「あっ……あの、鉄、くんに、話したいことがあって…」
「さっき梟谷の制服の子が校門でずっと立ってるって話聞いたんだけど、
やっぱAだったのか」
少し呆れたような表情を浮かべ
肩にかけていたタオルで汗をぬぐった。
「話は今度聞く。これ、俺の連絡先な。もうこんなとこで待ち伏せすんな」
鉄くんは連絡先の書かれたメモを私の手に乗せた。
「わかった、連絡、するね…」
それだけ言い残して、私は帰ろうとした。
「…気をつけて帰れよ。事故ったり、転んだりすんなよ」
練習試合で会った時よりも優しい声のトーンに
胸がどきっとした。
嫌な思い出。だったはず。
だけどやっぱり、鉄くんのことを好きだった気持ちは、本物だから。
嫌な思い出のままで終わらせるなんて嫌だ。
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茜(プロフ) - こーけこーこさん» コメントありがとうございます。更新頑張りますので、読んでもらえたら嬉しいです！ (2019年9月12日 7時) (
レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
こーけこーこ - 元々こういう小説あまり好きじゃなかったんですが、これ見た瞬間はまりました(真顔）すんごく面白いです。更新頑張って下さい。 (2019年9月12日 6時) (レス) id: 164c86cd11 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 黒髪さん» 嬉しいです！ありがとうございます！更新頑張っていきますのでよろしくお願いします。 (2019年9月11日 22時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
黒髪(プロフ) - この作品とても好きです……更新頑張ってください！ (2019年9月11日 21時) (レス) id: 058440bffe (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 米さん» ありがとうございます！更新がんばります！ (2019年9月11日 20時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜
| 作成日時：2019年9月11日 10時
