第七話『兄妹の企み』 ページ9
A昨日鉄にいが言ってたツッキーに会ってきた
クロテツおーっマジか
研磨クロ、A、また他校の生徒で遊ぶ気?
研磨赤葦と会った時もどうしたらあの無表情を砕けるかチャレンジしてたし
「あっ、またお兄さんや孤爪君と話してるの?」
画面を覗き込む様に肩越しから顔を出したのは守香だった。
「うん、そうだよー」
「Aのお兄さん、格好良いよねー」
「そう?」
鉄にいはどういう訳かモテる。本人は気付いていないようだが。
あの厨二病トサカの何処が良いんだろうだなんて思ってしまうは、私が鉄にいの妹だからだろうか。
まあ確かにあの切れ長の目とか、身長とか、低い声とか、モテる要素は揃ってるかもしれないけど。
「孤爪君もこの前ちょっとだけ話したけど、結構可愛い系? というか……」
「研磨は可愛いよ!!」
守香の口からその名前が出た途端、私は即答した。
研磨もあのプリン頭で誤解されがちだが、意外にも隠れファンが多いらしい。人付き合いの苦手な当の本人は無自覚だけど。
「うぉっ……そんな格好良いお兄さんと可愛い幼馴染に囲まれてAは幸せだよねー」
「そうかな?」
そんな何気にモテるマン二人が周囲に居ながら、別に二人に恋愛感情みたいなものは感じた事が無い。
昔から距離が近過ぎたからだろうか。
仮に私が誰かと付き合うとしたら――――
身長は私より高い方が良い。てつ兄と同じかそれより高い位か。高望みしすぎ?
ややスレンダーな方が好み。私が足も腕も太い体育会系体型だからかな。
(具体的には……)
ふと頭に浮かんだのは昼先の黒縁眼鏡。
細身の長身で、運動部員には余り見ない色白。
(いや、無い無い。会ったばっかりだしな……)
浮かんだイメージをすぐ様振り払った。
クロテツツッキー、どうだった?
おっと、メッセージ返さなきゃ。
A何か可愛い感じ?
A白くて細くて、何かもやしみたい?
研磨さっき可愛いって言ったのにもうもやし扱いって……w
A何か心配になる位細いからもっと肉付けなよって触ったら顔真っ赤になったクロテツへぇ〜ツッキーそんな初心だったんだぁ〜
A鉄にいが言ってた通り面白そう!
研磨月島、御愁傷様……
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作者名:叫星/テツロー | 作成日時:2021年8月12日 3時