第29話 ページ30
唯火SIDE
どうしよう
私は屋上に来た男を見て思う
ついさっき思い出したのだ…
男のことを
「G」
男はそう呼ばれていた
元囚人で2年前に刑務所を脱獄し、未だ行方不明
罪は魔法による人体実験だ
そして、「G」の得意とする魔法は…
幻影魔法
名の通り、幻を相手に見せる魔法だ
「G」にこれを使われたら、どこまでが現実でどこからが幻かわからなくなるという
つまり…
私は「G」の見せる幻の中にいる可能性が高い
目の前にいる「G」も
「G」のくりだす攻撃も
私の受けた傷も…
全てが幻
「G」が使う幻影魔法は相手の脳に直接かけるものなので、
この魔法を解こうと思ったら
現実がどこで終わり、幻になったのか見極める必要がある
「G」の使う魔法は超高難度だから、肝心の見極めるのが難しいわけなんだけど…
いやいや、そもそも幻ではない可能性もある
さて、どうするか…
私がうっかり敵の前だというのに考えこんでしまっていると、「G」が笑った
「敵の目の前で考えごととは、ずいぶんと余裕だな」
「…まぁ、その敵も周りの光景も幻の可能性が出て来たから
つい、考えごとをね」
私がそう言うと、「G」は驚いたような面白く思うような表情をした
だがその表情もすぐ消え、「G」は余裕のある笑みになる
「ほう、で
お前はどう思っているんだ?
これは現実か幻か」
たったそれだけの問いで、この世界がどちらであるかわかった
私は思わず笑みをこぼす
「なにがおかしい?」
「わかったからよ
この世界が現実か幻か
他ならぬ、あなたの言葉でね」
一瞬の内に様々な考えがかけめぐる
頭の中で散らばったパズルのピースがあわさったような、そんな気がした
「この世界は、私があなたの前に現れた瞬間から
…全て幻」
世界が、魔法が、幻が、崩れる音がした
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寒極氷化(プロフ) - 由利亜さん» ありがとうっっっっ!(●^o^●) (2015年4月24日 23時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
由利亜(プロフ) - 寒極氷化さん» 本当に凄い!お気に入り作者に入れたからねー! (2015年4月24日 23時) (レス) id: 8798126f84 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - 由利亜さん» そ、そんなっ、照れるよっ!! でも、褒めてくれてありがとうっ お世辞だとしても嬉しいよ! (2015年4月24日 23時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
由利亜(プロフ) - 寒極氷化さん» 凄い文才持ってるね!尊敬するー (2015年4月24日 23時) (レス) id: 8798126f84 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - 由利亜さん» おぉ! 同じクラスの! 見てくれてどうもありがとう! (2015年4月24日 22時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寒極 氷化 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/
作成日時:2013年8月22日 16時