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第23話 ページ24

静かだ…

私は、屋上で対峙している男に警戒をはらいながらも、思った

あまりにも静かだ

車の音も人の足音や話し声も何も聞こえない
聞こえるのは、自然が生み出す音と男の声

そういえば、仲間はどうしたのだろう?
こいつに全員やられたとは考えにくい

と、いうことは…
まさか!

男が言う

「気づいたようだな
 お前の思っている通りだよ」
「…鏡面世界、ね」

私の言葉に男はうなずく

「あぁそうだ
 すでにここは鏡面世界
 助けてくれる仲間もいない」
「えぇ そうみたいね」

鏡面世界

それは本来の世界のいわば裏側の世界
名の通り、鏡のように全てが反対の世界、ではない
単に生物がいるかいないかの違いしかない

しかもこの鏡面世界は魔法使いがつくるものだ
だから、もともとあった世界ではないのだ

そして、つくられるものならそこに色々な罠をはることができるし、
たくさんの魔力を使わないように鏡面世界の規模を変えることもできる
大半の魔力を失う覚悟でやれば、世界の法則だって変えることもできる
(例えば、慣性の法則をなくせる、とか)

だが、鏡面世界には重大な欠点が存在する

それが制限時間とコアだ

鏡面世界には術者の技量にもよるがだいたい30分しかもたない
そして、鏡面世界をつくるときにその中心となるべきコアが存在するのだが、
そのコアを壊すと鏡面世界はいとも簡単に崩れる

さらに、鏡面世界とは別に現実世界でもコアが必要であり、
現実世界でコアが壊されたら、当然鏡面世界は崩れる

ユイカは笑う

「コアを壊せばいいだけの話よね」

すると、男も笑った

「コアがこの建物にあれば、の話だがな」
「鏡面世界がつくられたとき
 コアと術者は同じ世界、同じ経度と緯度にいなければならない
 だから、この建物にあるに決まっているじゃない」

男は私を馬鹿にしたようにクックッと声を上げて笑った

「誰が術者は私だと言った?」
「え…」
「この世界にはもう一人いるぞ
 そいつが術者だ」

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設定タグ:ファンタジー , 記憶 , オリジナル   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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寒極氷化(プロフ) - 由利亜さん» ありがとうっっっっ!(●^o^●) (2015年4月24日 23時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
由利亜(プロフ) - 寒極氷化さん» 本当に凄い!お気に入り作者に入れたからねー! (2015年4月24日 23時) (レス) id: 8798126f84 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - 由利亜さん» そ、そんなっ、照れるよっ!! でも、褒めてくれてありがとうっ お世辞だとしても嬉しいよ! (2015年4月24日 23時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
由利亜(プロフ) - 寒極氷化さん» 凄い文才持ってるね!尊敬するー (2015年4月24日 23時) (レス) id: 8798126f84 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - 由利亜さん» おぉ! 同じクラスの! 見てくれてどうもありがとう! (2015年4月24日 22時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寒極 氷化 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/  
作成日時:2013年8月22日 16時

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