少女と記憶 (ページ14)

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第13話ページ14

と、いうわけで(どういうわけ?)唯火に説明してもらうことにした

のだが…

唯火はまた、みんなに気づかれずにどっかへ行ってしまった

これじゃぁ、あれが何か聞けない

どうすれば… ハァー

・・・

そして休み時間も終わり午後の授業

私はいつものように授業を聞き流し(受けたのではなく、聞き流した)、唯火がいないままに下校時刻となった

下校していく生徒たち

私もその中に混じる

昨日は長く唯火と話して、いつもより遅い時間に帰り、
先に帰っている妹の楓に心配をかけた(楓は心配性なのだ)

だから、今日はいつも通りに帰ろう(部活には入っていない)

当然のように真理もいるが(真理も部活に入っていない)、これがいつもの風景だ

「…あと3日で夏休みだねー」

真理が休み時間から無言でいる私に耐えかねたように言った

「確かに、そうだね」

忘れていたわけじゃないのだが(そもそも7年前を除き、記憶を忘れることができない)今は、唯火のことがあり、夏休みのことなど考えていなかった

真理が反応の薄い私にあれ?と首をかしげる

「夏休みが近いのですぞ、お嬢さま
　なのに、楽しみではないのですか?」

真理はたまに変なキャラになる理由は「だってそのほうが面白いでしょ?」だそうだ

「…誰それ?」
「真理姫とマンガの王国、に出てくる真理姫の執事」
「…今、即興で考えたでしょ」
「えへへ、ほめたって何も出てこなよ?」
「呆れているだけ」

真理は、ちょっとショックを受けたような顔(演技だ)になると、すぐに笑顔になる

「で?夏休みは楽しみ?」

さっきの質問か

「まぁ、楽しみ、かな?」

あいまいに私が答えると真理はすかさず言う

「あいまいだなぁ奏は!夏休みは思いっきり楽しまなくちゃだめだよ!」
「いや、まだ夏休みじゃないし…」
「夏休みの1週間くらい前からテンション上げとかないとダメなんだよ!」

真理は知らないみたいだが、テンションとは、緊張とか不安を表す
まぁ、そのうち知るだろうけど

真理の演説(?)を聞き終えた、私はそろそろ家だ、と思い言った

「もうそろそろ、家だからじゃぁね」

家に向かって走る私に真理は手を振る

そして、私は家に帰った