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とても好き ページ40

食事が終わり、今日の業務の指示を出してから部屋に向かう。
いつも通りの日常だ。

『主様!仕事であればお手伝いいたしましょう!』

主の後ろをついてくる彼以外は。
幻覚かもしれないが、黒丸の背後にブンブンと振られている犬のしっぽが見えた。

Aは黒丸に書類仕事を任せていいものかどうか迷っていた。子供がお手伝いをしたいという理由だけで、できもしないことを「やるもん!!」と言っているようなものかもしれないと思ったのだ。

「・・・では、今週の資材の出入りを記しましたので、まとめていただいてもよろしいですか?」
『承りました!』

本当はもうまとめてあるが、黒丸の力量を図るためにこういった指示を出す。
もし彼が書類仕事が不得手であれば任せなければ良いだけの話。逆に得意であったのであれば、長谷部や博多の助けとなることであろう。

部屋に着き、黒丸に資料を渡すA。
黒丸は机の角の方を借りてさらさらと書き出し始めた。

一週間分の資材とはいえど、鍛刀に手入れに刀装、遠征や日課や月課などの入出は絶えない。Aがまとめるのに一時間かかった資料だ。

ものの十分で、『終わりました!』と紙を差し出してくる黒丸。それには、読みやすい字で表が書かれていて、確かに今週の資材の出入りがまとめられていた。
とても分かりやすいその表に、Aは驚嘆する。

「わぁ・・・!これはすごいですね!」
『有難うございます。主様のお役に立てましたか?』
「ええ、もちろんです!これからは書類の補佐をお願いしてもよろしいですか?」
『はい!!』

主に頼られた嬉しさで、黒丸は顔を綻ばせる。Aが思わずその頭を撫でると、盛大に誉桜が舞った。












その日、黒丸は主に付きっきりだった。書類を手伝い、肩を揉み、化粧や服を直して一日を過ごす。時折大包平達が来て、皆で雑談に花を咲かせては息抜きをする。
その間黒丸には誉桜が舞いっぱなしだった。

仕事も終わり、すっかり楽しみになった夕餉の後の風呂に向かう。
まだまだ肉付きの良い体とは言えないが、初日に比べれば、浮いている骨の影はましになった方だ。

風呂に向かう途中で大包平と燭台切、鶴丸と合流する。秋田は先に粟田口の皆で風呂に入ってしまったという。多少残念だ。

「よ、風呂か?」
「俺たちも今からなんだ。」
「相席、よろしいか?」

さらに三名槍とも合流し、大男ばかりで廊下が狭くなっていく。
それでも、黒丸は心底楽しかった、

勃発→←主大好き



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黒ノ酢(プロフ) - Qたんさん» 勘違いが好きなんです(o´罒`o) (2018年12月19日 9時) (レス) id: 3f437a82fa (このIDを非表示/違反報告)
Qたん - すごい勘違いですね・・・・・・・・・・・・ (2018年11月17日 0時) (レス) id: 1e4cd3bd39 (このIDを非表示/違反報告)
とむら(プロフ) - 黒ノ酢さん» はい、大丈夫ですよ。寧ろ意見を聞いて下さり嬉しいです。楽しみに更新を待ってますね (2018年8月22日 3時) (レス) id: fe1253ce58 (このIDを非表示/違反報告)
黒ノ酢(プロフ) - とむらさん» 愛されの方向で固めたいと思います!他の方の意見次第では、少し特定の男士によるかもしれませんがよろしいですか?それから、勘違いはまだまだ続く予定です。ご意見ありがとうございます! (2018年8月21日 4時) (レス) id: ec0b05428c (このIDを非表示/違反報告)
黒ノ酢(プロフ) - 152339さん» ごめんなさい!考えている大まかな展開ではまだまだ勘違いが加速していくのです。御気に障ったのであれば申し訳ありません。愛されがいいという方もいるので一概には言えませんが、気持ち鶴丸寄りになると思います。ご意見ありがとうございます! (2018年8月21日 4時) (レス) id: ec0b05428c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒ノ酢 | 作成日時:2018年6月21日 17時

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