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自己紹介と騒めき ページ25

黒丸は驚いた。
まるで台本でも用意していたかのように、口からスラスラと言葉が出てくるのだ。

『私めは黒丸国光と申します。かの来国光によって打たれた美術品であり、来派唯一の槍でもあります。その特徴は、刀身に花々の絵が刻まれていること。歴史に名が残ることは終ぞございませんでしたが、頑張らせていただきます!』

醜態をさらすようなことにはならず、ほっとして息を吐いた。












広間の面々はざわついていた。

「来派の者だと?」「歩き方が分からないとは?」「聞いたことのない名だ。」

ざわついた理由はそれぞれだ。
だが、その異様さは皆感じ取っていた。

来派の三振りは、特に動揺をあらわにしていた。

「来国光の槍!?まさか、あいつが?」
「国行、あれ、あれ!!」
「わかってる。しっかしまあ、こんなところで会えるとは。」

しかし、他の者とは少々驚きの理由が違うようだ。
誰かが「知ってるのか?」と聞くと、愛染国俊が代表して答える。

「来国光の手記に、こんな内容が乗っていたらしいんだ。「我が生涯をかけて作った、最高傑作の槍。あれを巡って諍いが起こる前に田舎者の城主にくれてしまったが、一体どうなっているだろうか。」って。」

説明を、明石国行が引き取る。

「本当に存在を秘密にしとったらしくてな。手記と言ってもほんの小さな紙切れに申し訳程度に書かれてただけやったって。でもその紙切れが見つかって、聞いたことのない「幻の槍」だなんだって騒がれてなぁ。皆探すのに躍起になってたんよ。」

ちら、と黒丸国光の方を見る。
彼はこちらに気づいていないらしく、主の方を不安げにみているだけだった。明石は視線を戻した。

「噂ばっかり入ってきて、実物は影も形もない。やがては噂さえ風化して、文字通り名前だけの「幻」になったわけやな。まさかここに来るなんて思わへんかったけど。」

心なしか冷めているな、とまた誰かが言ったが、蛍丸はにべもなく返す。

「いきなり出てきて「同じ刀派だ」なんて言われても、実感が持てないし。」

それを聞いて、周りも「そんなものだよな」と頷く。
来派の繋がりが薄いかと言えばそういうわけでもないので、これから少しずつ変わっていくだろうと考えるものが多いようだった。

「しっかしまあ、歩けへんのは予想外やったけど。」

が、明石のその言葉に皆凍り付く。
そういえば、彼は大包平に抱き上げられて来たのだった。

恐る恐る黒丸の方を見るが、やはり彼は主を見ていた。

ふわり笑う→←歓迎の広間



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黒ノ酢(プロフ) - Qたんさん» 勘違いが好きなんです(o´罒`o) (2018年12月19日 9時) (レス) id: 3f437a82fa (このIDを非表示/違反報告)
Qたん - すごい勘違いですね・・・・・・・・・・・・ (2018年11月17日 0時) (レス) id: 1e4cd3bd39 (このIDを非表示/違反報告)
とむら(プロフ) - 黒ノ酢さん» はい、大丈夫ですよ。寧ろ意見を聞いて下さり嬉しいです。楽しみに更新を待ってますね (2018年8月22日 3時) (レス) id: fe1253ce58 (このIDを非表示/違反報告)
黒ノ酢(プロフ) - とむらさん» 愛されの方向で固めたいと思います!他の方の意見次第では、少し特定の男士によるかもしれませんがよろしいですか?それから、勘違いはまだまだ続く予定です。ご意見ありがとうございます! (2018年8月21日 4時) (レス) id: ec0b05428c (このIDを非表示/違反報告)
黒ノ酢(プロフ) - 152339さん» ごめんなさい!考えている大まかな展開ではまだまだ勘違いが加速していくのです。御気に障ったのであれば申し訳ありません。愛されがいいという方もいるので一概には言えませんが、気持ち鶴丸寄りになると思います。ご意見ありがとうございます! (2018年8月21日 4時) (レス) id: ec0b05428c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒ノ酢 | 作成日時:2018年6月21日 17時

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