いい人達なのに ページ16
ふぅ。
Aはそうため息を吐き、「じゃあ戻るね」と言って部屋を出た。
(今の男は、NOCではないけれど……もしかしたら組織の幹部になるかも知れなかったんだから)
そう自分に言い聞かせていた。
そう、もう――というか大分前から分かっていただろうが、Aはジンを騙した。
組織の人員を、1人でも減らすために。
バレたら終わりだが、どうせもう、NOCを見逃していることに変わりはない。
だったらNOCをでっち上げればいい、そう考えた。
「でも……やっぱり……」
目の前で人が死ぬのはな……と深いため息をついた。
「あっ、アマレット!」
Aの前から明るい声。
Aが顔を上げるとそこには、キャンティとコルン。
任務を終えてきたのだろう。
「何やってたんだい?」
「ああ、ジンに呼び出されて」
Aの能力のことを、ジンやベルモット以外に言ったら殺すとジンに言われていたため、Aは適当に誤魔化す。
ちなみに言い忘れていたが、Aを裏切り者かと疑っているジンを除いて、他の能力を知らないメンバーは皆Aに好意的だったのだ。
ベルモットも疑ってはいたが、変装を教えてくれる等、娘のように思っている部分はあるのだろう。
「……キャンティ、そろそろ」
コルンが言うと、キャンティは「アタイらそろそろ行かなくちゃいけないから」と言って歩き出す。
その姿を見て、Aは独り呟いた。
「……人さえ殺してなきゃ、いい人達だらけなんだけどな……」
「で、最後にここは……こう。 OK?」
「わ……すごっ」
今、Aの部屋ではベルモットが名前に特殊メイクをしながら、教え込んでいる。
そしてAの顔は、あっという間に有名タレントの顔になっていた。
「じゃあ次は自分でやってみる?」
そうベルモットが聞き、Aはうん!と答える。
何時の間にか『特殊メイク』という技術にのめり込んでたようで。
「えっと……まずはここからだよね」
それから約2時間。
Aの顔はグチャグチャ。
……正直見ていられない程だ。
しかし。
ベルモットが手直しをすると、綺麗に人の顔になるものだからAは不思議でたまらなかった。
「やっぱベルモット……すごい……」
作者から 最終更新→2016.08.10→←面会時間、そして、作戦実行
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桜芽(プロフ) - 0.001さん» コメントありがとうございます!
http://uranai.nosv.org/u.php/novel/kuro_nouryoku/
改作した作成が此方になります。話の流れや視点を変えているので此方も読んで頂けると嬉しいです!
了解しました!0.001様に満足して頂けるよう精一杯書かせて頂きます! (2016年8月12日 22時) (携帯から) (レス) id: 7bb21cc2e6 (このIDを非表示/違反報告)
0.001 - 高評価させて頂きました。夢主ちゃんの危うい感じと組織とのやり取り…そして赤井さん、安室さん、コナン君との今後が気になります!魅せられるで頂いたお話、ぜひお願いします!!今後も応援しておりますので、苦にならない程度に頑張って下さい。 (2016年8月12日 22時) (レス) id: 813ac56b07 (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 大分遅くなってしまいました! すみません! やっと読めることができました、とっても面白いです! それでは、改めてイベント参加ありがとうございましたm(_ _)m (2016年7月30日 19時) (レス) id: a702bf65e1 (このIDを非表示/違反報告)
ルビー(プロフ) - めっちゃ好きこの作品! (2016年7月24日 8時) (レス) id: f645757c42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜芽 | 作成日時:2016年7月22日 3時