空間を超えて (ページ6)

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お揃いページ6

次の日、ムックルの目覚ましが鳴る前に目を覚まして身支度を始めた

トレーナーリュックをクローゼットの奥から引っ張り出す

チャンピオンになってから使うことも少なくなってしまったので、少し埃を被っていた

軽く埃を払い除けて、キズぐすりやきのみ、ポケモンフーズなどをリュックに詰め込んでいく

ふと、テーブルの上に飾ってある兄と私が写っている写真が目にとまった

写真の中の私達は笑顔で、とても幸せそうだった

早く行かなくては、と自分を急かせ準備を進める

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準備を整え、誰かが家に来たとき用に置き手紙をしておく

もし連絡がつかない時は察してほしい…と

最後に旅に出ていた時、私とコウキとヒカリの三人でお揃いで買ったネックレスを首につける

コウキはサファイア、ヒカリはルビー、そして私はエメラルドが組み込まれたネックレスだった

太陽に透かしてみると、キラキラと光り輝いて美しい緑色が癒してくれているような気がした

　｢行こう……｣

ネックレスを握り、真っ直ぐ扉を見つめた

玄関の扉をゆっくりと開け、お兄ちゃんの姿が最後に確認された森に向かった

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森の入口は、何の変哲もない一本道しかない

昨日みた映像の監視カメラの場所を確認し、辺りを見渡す

何もおかしい所は見当たらない

　｢確か、この辺だったような…｣

映像で見た、兄が佇んでいた場所に私も立ってみた

しかし、何も起こりそうにはない

　｢…森の中に入ってみようかな｣

小さく呟き、森へ進もうとすると……

　｢A！！｣

後ろから聞き慣れた声がした

　｢コウキ、ヒカリ……｣

二人は息を切らしていた。恐らく、街からこの場所まで走ってきたのだろう

　｢なんだよこれ…｣

コウキが持っていたのは、私が家に置いてきた手紙だった

　｢だから…書いてあるとおり、お兄ちゃんを探しに｣

　｢お願い、馬鹿な真似はやめて！！｣

ヒカリは涙目になりながら、私の服の裾を掴んだ

　｢お兄さんは…もうこの世にいないんだよっ……｣

　｢そんなの…探してみないと分からないじゃん！｣

あの黒い闇と生き物を見つけられれば、絶対……

バチンッ

　｢いい加減にしろよ｣

左頬に痛みを覚え、倒れそうになった私の胸ぐらを掴んで引き寄せられた

　｢兄さんは不慮の事故で亡くなった…それでいいだろ！！｣

　｢いいわけない！お兄ちゃんが死んだなんて決めつけないで！！｣