影山妹は…はい。モテますよ…番外編

夏休み 3 ページ19

影山｢A。今年の夏祭りはどうすんだ｣



リビングのソファでゴロゴロしていると、月間バレー誌を片手に持ったお兄ちゃんが話しかけてきた



A｢あー…ごめん。今年は部活の人達と行くよ｣


影山｢……そうか｣



小さく呟いて、そのままソファに座った


うーん……申し訳ない



A｢お兄ちゃんは誰かと約束していたりとか…｣


影山｢してねぇ｣



デスよねー


毎年当たり前のように一緒に行ってたから、他の誰かと行くなんていう選択肢はお兄ちゃんの中に無いよね


どうしよう……



影山｢スマホ、鳴ってるぞ｣



一人で悶々と考え込んでいると、お兄ちゃんが机の上に置いておいたスマホを指さしていた


慌ててスマホを取ると、日向からの着信が入っていた


電話に出ると、｢もしもしー！｣と明るい声が返ってきた



A｢もしもし。何かあったの？｣


日向『ごめん！影山に電話しようとして間違えた！！』



あー。同じ名字だからか


間違えやすいよねー



A｢大丈夫だよ。要件なら伝えておこうか？｣


日向『ほんと？じゃあ、今度の祭り行けるか聞いといてくれない？』


A｢え！？｣


日向『え！？』



グットタイミングだよ日向ぁ…


これでお兄ちゃんはボッチでお祭りに行くことは避けられる！！



A｢大丈夫。お兄ちゃんは行くよ｣


影山｢あぁ？｣



自分のことが言われていることが分かって、読んでいた雑誌から視線を私の方へ移した



日向『そっか。ありがとな』


A｢はいはーい｣



電話を終えると、お兄ちゃんの方を見ると眉間に皺を寄せてこちらを見ていた



影山｢誰からだよ。俺のこと話してたよな｣


A｢日向だよ。祭り行こうっていう誘い！｣



よかったじゃん、と肩を思い切り叩くと舌打ちが聞こえてきた



影山｢……そうかよ｣



雑誌を私の頭に置いて、そのまま部屋を出て行ってしまった



A｢…素直じゃないんだから｣



他の人はお兄ちゃんの表情がいまいち分からないって言うけど、私からしたら一番感情がコロコロ出てきて分かりやすいんだよなー……

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