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貴方side
“イタィ……ヨォ…”
そう言って祓われていく呪霊。俺は、それを見て『ははっ…』と乾いた笑いを出す。
…【痛い】……か。
そりゃそうだろうな。お前ら呪いは、俺たち人間から産み出されてるんだから。
冷たい瞳で、己の手を、刀を、辺りを見た。
この手で、俺は誰かを救うことが出来たのだろうか。何一つ分からない。
誰かの為に生きたかった。誰かの役に立ちたかった。…普通の人間として生きたかった。
この世界に呪いなんてなければ。
……それは無理な話だけどな。
再び乾いた笑いを漏らした。そして
背後から、濃い呪力を感じ、とっさに飛び退く。
ガガガッ!と音を立て、ほんの一秒前、俺が立っていた所に鋭利なものが刺さっていた。
……特級呪霊。しかも…かなり強い。
“死ね……この世界から消えて無くなれ……お前なんか、お前のせいで。 ”
その特級呪霊は、人の形をしていた。
『……そんなことって、ある…?』
それは「僕」だった。
「僕」が高専の服を着て刀を持ち、無機質な紅い双眼を「俺」に向ける。
あの日死んだ「僕」が、「俺」を殺しに来たのか。
『…はは、皮肉なもんだな、俺…』
俺は思わず苦笑した。
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ぽんず(プロフ) - 完結おめでとうございます!そしてお疲れ様です!是非とも番外編を作って頂きたいです!! (2021年2月14日 17時) (レス) id: 22afa4f87f (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺夜 - 完結、お疲れ様です!めちゃくちゃ面白かったです!ぜ、是非とも番外編も作ってほしいです!読みたいので!お願いしますっ! (2021年2月14日 11時) (レス) id: 6c7d93c75a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫静 - 推しって…旦那だよね!?さん→えへへ、頑張ります! (2021年1月31日 16時) (レス) id: e2d9da3aac (このIDを非表示/違反報告)
推しって...旦那だよね!? - オォォォォォォ――――――!!!面白ことになっとる!続きがめっちゃ気になる...!どうなっちゃんだろ!?更新頑張って下さい!応援してます! (2021年1月30日 18時) (レス) id: a175662a1a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫静 - 黒狼さん→ありがとうございます!展開はね…(((←お楽しみです!w (2021年1月22日 17時) (レス) id: e2d9da3aac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒猫静 | 作成日時:2021年1月15日 17時