二次元しか愛せない系少女、服屋さん ページ40
Noside
「まずは…服屋さん!!…とは云ったものの、ブランドとか全然分かんないんだよなぁ」
「年頃の筈なのにブランドも知らないとは…流石、時代遅れの女だな←」
ぱちぱちと嫌な拍手を送る中也にAは殺意が湧いたが、反撃してまた叩かれたら嫌なので殺意を抑える。
「だって今迄は、そこら辺のスーパーに売ってるジャージとかしか買ってなかったんだもんね」
どやぁ、と威張りながら云うAに、中也は溜息しか出ない様子。
中也は少し悩んで、決意を固めたのか、Aにこう云った。
「良し、俺が手前の服を選んでやる」
そう云うと、Aは
「え、ありがとうございま…す?」
と語尾にクエスチョンマークをつけて云った。
*・・*・・*
「え…何これ、凄く良い…!」
「だろ?」
ふふん、と威張る中也に、凄い凄い、とひたすら褒めまくるA。
黒い中折
それに、薄い灰色のガウチョパンツ、少しヒールのある黒い靴。シンプルな黒と金のショルダーバッグ。
一つに結えられていた髪を下ろすと、元からくせっ毛なのか、程よいウェーブによって、黒の中折帽子との相性が良い。
Aは鏡に映る自分の姿を目を輝かせて見乍呟く。
「真逆…中也にこんなにセンスがあったなんて…名前のセンスは最悪だけど」
「一言余計だ莫迦…まぁ、俺自身偶に服屋来るからな…あ、」
中也は何かを思い出したように声を漏らす。
然しAはそんな中也も気に留めずに、凄い凄いと呪文の様に唱え続ける。
「此方向け」
「…っはぁ?なn…んむ」
唇に押し付けられた生まれて初めての感触のモノ__それは真っ赤な口紅であった。
「良し、これで良いな…」
「な、何これ…」
「手前、化粧さえも知らねぇのか」
濃い化粧をして、自分に媚を売る女を腐る程見てきた中也には、"化粧"を知らない女に、"化粧"という物をどう説明して良いのか分からず、少しばかり戸惑う。
「…まぁいい。鏡、見てみろ」
肩を掴み、くるっと鏡の方へAを向ける。
するとまたAは目を輝かせて、興味深々に自分の唇をなぞる。
「凄い…!」
「さっきから凄いしか云ってねェ」
凄いと繰り返すAに笑い乍中也は云う。
今迄、二次元へずっと情熱を注いできたAにとっては、"ファッション"という類は初体験のものである。
そんなAをみて、満足したのか、中也は
「行くか」
と云う。Aは
「うん!」
と嬉しそうに頷いた。
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氷華(プロフ) - 自分のペースでゆっくり書いて欲しいです(*´ー`*)これからも応援してます!! (2019年2月25日 22時) (レス) id: ed00fd4798 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレヰト - とても面白いので、ふっとネタが降りて来た時にでも書いてくれれば嬉しいです!別に、文がおかしくても構いません!間違えたら直せばいいんです!検討お願いします! (2019年2月17日 19時) (レス) id: 9bf0bfde55 (このIDを非表示/違反報告)
雨咲 水葉(プロフ) - 自分のペースでのんびりと書いてもらえればうれしいです。この作品の中好きだったので(半分ないよう覚えてないや。汗)とにかくこの作品、途中半端で終わらさずゆっくりでいいのでつづきお願いしますm(_ _)m (2019年2月11日 20時) (レス) id: c9fa56c96c (このIDを非表示/違反報告)
怜奈(プロフ) - 続きをオオオオオオオオーーーーーーー(///ω///)♪ (2018年5月6日 21時) (レス) id: 14ed024632 (このIDを非表示/違反報告)
雨傘響音(プロフ) - あれ…中也さん、夢主誘った本来の目的は…?(;´・ω・) (2018年4月7日 14時) (レス) id: f78f4d1bf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お布団@自宅警備隊No.7 | 作成日時:2017年6月19日 19時