透き通る赤色の酒。 ページ5
「私は太宰さんじゃなくて織田作に呑んで欲しいの!」
「えっ…」と太宰のショックを受けた声が響く。
あっそろそろヤバイな、と思った安吾は太宰を慰めに太宰へ近付く。
Aはお酒の栓を開け、コップに酒を注ぐ。
「どうぞ!」
コトっと置かれたコップの中には、透き通る赤をした酒が注がれていた。
「…じゃあ、頂きます」
織田作は、その透き通る赤色の酒を一口飲んだ。
「どう美味し…!?」
Aはお酒の感想を聞こうと、織田作の方へ顔を向けると
突然呑みかけの酒から赤色の煙が噴射される。
太宰はAを黒外套で覆って守るように抱き寄せ、坂口は自前のハンカチで口を覆う。
少し咳き込みながら、織田作の安否を確認する為に、織田作の据わっていた席に近付くと_
、
____其処に据わっていた織田作、ではなく赤髪の小さな男の子。
顔はまだはっきりとは見えないが、着ているブカブカの服は先程までいた織田作のものだ。
霧が徐々に消えていき、その男の子の顔がはっきりと見えてくる。
赤髪の小さな男の子は、織田作の面影が_ある。
誰が見ても分かるくらいそっくりだ。
スヤスヤと規則正しい寝息を立てて、カウンター席に寄り掛かるように寝ている。
「之が…織田作さん?」
「みたいだね」
驚いた表情で男の子を見る坂口と、顎に指を添えて思案顔をする太宰。
一方はAはヘナヘナと座り込んでプルプルと震えている。
太宰は、嗚呼、怖かったのだろうか、と彼女を抱き寄せようとすると_
「かっ…可愛いっ!!!」
今迄見た事も無いような最高の笑顔で、頬を赤く染め乍、叫んだ。
そんなAに坂口と太宰は硬直状態。
幼児化した織田作を抱き寄せて、嬉しそうに顔をより紅潮させるA。
_彼女がショタコンに目覚めた瞬間でした。
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ミカンチャン(プロフ) - 好き (2022年1月5日 21時) (レス) @page7 id: bf3a83fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2017年9月17日 10時