ショタコン系少女、目覚めちゃいました。【文スト】 (ページ4)

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幻のお酒。ページ4

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Aとの出会いから数ヶ月後＿

「織田作ー！安吾ー！」

嬉しそうに名前を呼び乍、階段を二段、三段と飛び越えながら降りてくるA。

楽しそうなAを見乍、二人も微笑する。

「やァ」

その後から、太宰がゆっくりとした足取りで降りてくる。

「今日もまた、四人揃いましたね。

連絡も取っていないのに、不思議です」

「そんな事、何時もの事じゃない」

クスクス笑い乍坂口に返すA。

その光景に織田作は
「何時もAは楽しそうだな」

と表情には出さないが楽しそうな声音だ。

「マスター、何時もので」

「あ、じゃあ私はオレンジで！」

太宰は何時もの酒を、Aはまだ未成年な為オレンジジュースを頼んだ。

太宰は突然織田作に

「織田作、Aが楽しそうな顔をしているのは此処が一番だ。

何時もは何か詰まらなさそうな顔をしているよ」

と云う。

その一言に織田作は「それは良かった」と付け足した。

「あーあ…私も早く三人とお酒が呑みたいなぁ…」

Aの齢はまだ十六。酒が呑めるようになるのはあと四年後だ。

Aは何時もこの酒場に来るとそう云う。

そして安吾が返すのは何時もと同じ、決まった台詞。

「Aが二十歳になったら、四人で呑めたらいいですね」

暫しの沈黙が流れる。

「…あ！じゃあさ、私が呑めないから変わりに織田作が飲んでよ！！」

突然思い付いたように云うA。

「俺がか？」

「うん！」

織田作は自分を指さし乍Aに問う。
持ってきた鞄の中を漁り乍、問いに即答する。

「あった！…此れ此れ！

あのね、この前仲良くなった男の子に良く分からないけど"幻のお酒"っていうの貰ったの！！」

ニコニコと笑い乍織田作に渡すA。
太宰Aの一言に、

「何時仲良くなったの！？

私の傍からずっと離れないでって云ったよね？」

黒いモノが隠されたような笑みで問い掛ける。
太宰黒い笑みにも動じずに

「太宰さんが厠に行ってた時」

「うぐっ←」

サラッと答えるA。
「な、なんで私のAが他の男なんかと仲良くなって…」と愚図り始める太宰を見なかった振りをして話を進める。

「私が呑めない代わりに飲んで欲しいなあって…」

じーっと織田作の瞳を見詰め乍懇願する。

「俺は別に良いが…」

と其処で織田作は言葉を切り、太宰のほうを見る。

太宰からは「私が呑みたい Aからお願いされたい私が呑みた(ry」と云う誰が見ても分かるようなオーラを放っていた。